プラスチック成形加工学会第36回年次大会

特別セッション

下記の5セッションを開催します。
 

特別セッションI
想像を形にする、射出成形の無限の可能性
杉野直人(三光合成),金藤芳典(三菱電機),新川真人(岐阜大学),木村文信(東京大学)
 近年、世界的な経済活動の変動や国際情勢の不確実性が国内製造業に大きな影響を及ぼしています。一方で、2023年版ものづくり白書では、デジタル技術を
利用したものづくり、脱炭素社会に向けた環境負荷の低減が重要課題として挙げられています。これらの課題に対応するため、射出成形技術は、現代の複雑な
ニーズに応えるための多様性と柔軟性が求められています。本セッションでは、革新的な発想と技術力を基盤に、未来のものづくりを切り拓く射出成形技術の可能性を議論します。最新の取り組みを共有し、製造業の新たな価値を生み出す一助となる場となることを目指しています。多くの皆様のご参加とご講演を心よりお待ちしております。

 

特別セッションⅡ
半導体・エレクトロニクスデバイスを支える材料と成形技術
佐藤正博(パナソニック インダストリー),瀧健太郎(金沢大学),伊藤浩志(山形大学)
 生成AIの高速演算を支えるGPUや,電気自動車・鉄道・発電施設などで高電圧・高電流を制御するパワー半導体など,半導体・エレクトロニクス分野の技術が飛躍的な進展を遂げ,関連産業が大きく注目されています。急速に進化している半導体・エレクトロニクス分野では,使用されるプラスチック材料(封止樹脂,接着剤,ペースト,フィルムなど)への要求も高くなり,材料やその成形加工の高度化に向けた研究開発が活発に進められています。そこで本セッションでは半導体・エレクトロニクスを支える材料・成形加工について理解を深め,技術分野横断で議論できる場を設けます。多くの方々のご講演ならびにご参加をお待ちしております。


 

特別セッションIII
地球にやさしい環境調和材料・技術
高崎緑(横国大),阿多誠介(産総研)
 本セッションでは、プラスチックと成形加工に関する最新の研究と技術に焦点を当て、特に地球環境に配慮した素材や手法に関する発表を幅広く募集します。近年、環境に対する悪影響などプラスチックのネガティブな側面が強調される場面がありますが、プラスチックは日常生活に不可欠な素材であり、天然資源を利活用した機能材料化研究を通じて現代の諸問題を考えながら、プラスチックとともにある持続可能な未来を構築する必要があります。例えば、自動車分野でのプラスチックの利用は車両の軽量化を導き、CO2排出の低減に寄与します。
本セッションでは、環境調和型分子および重合設計、天然資源を活用した材料設計、アップサイクルを含むリサイクル技術など、「プラスチックが持続可能な材料として発展するため」の研究テーマについて発表・議論する場を設けます。企業やアカデミアが抱える様々な課題や解決策を共有し、プラスチックの新たなポジティブな側面を発掘できることを期待しています。

 

特別セッションIV
データサイエンスを活用する成形加工
室賀駿(産総研),瀧健太郎(金沢大学)
 データサイエンスは、これまで特定の専門家に限られていたものから、研究開発の多様な現場で広く活用される時代へと移行しつつあります。このような技術の進展は、ものづくりの在り方にも大きな変革をもたらしており、現在はその転換期にあります。本セッションでは、プラスチック成形加工にかかわる基礎的な解析から高度な計算に至るまで、幅広い内容の発表を歓迎いたします。対象分野としては、材料配合設計、射出成形、押出成形、付加製造、リサイクルなどが挙げられます。また、相関解析、物性予測、プロセス制御、異常検知、自律実験、サロゲートモデル、データ同化など、さまざまなアプローチに関するご発表を広く募集します。また、現在、データサイエンスの導入が十分でない研究や取り組みについても、「将来的な展望」や「課題」を積極的に発信していただける場としたいです。分野を超えた知見の共有や新たな研究の方向性を探る機会となれば幸いです。

 

特別セッションV
知恵と努力で夢を形にする押出成形
石川健(三菱ケミカル),東孝祐(神戸製鋼),尾原正俊(芝浦機械), 松本紘宜(九州工大)
 本セッションでは、押出成形技術がどのようにして夢を現実に変える手段となるかを探求します。この成形技術は、プラスチック製品の製造において重要な役割を果たしており、その応用範囲は日々拡大しています。本セッションでは、最新の技術革新や研究成果を対象とし、押出成形の未来を展望します。
具体的には混練によるナノ構造制御やコンポジットなど新たな素材の開発から、製品に至るまでの高度な延伸成形技術、またプラスチック製品に限らずバイオマスや食品、製薬などへの押出成形の応用にも焦点を当てます。さらにはセンシングやシミュレーション技術を用いたプロセスの最適化、またエネルギー効率の向上や環境負荷の低減について、最新の知恵と日々の努力を議論する場となることを期待しています。是非、本セッションで押出成形技術の最新動向を共有し、ご自身の研究や業務に役立てるための具体的な知識とインスピレーションを得ることで夢を形にしてください。