講演情報
[A-13-11]地域公共交通の車両内環境データの継続的収集の一例と課題
〇内林 俊洋1、末吉 智奈佐2、安武 芳紘2、津曲 優斗2、福山 侑弥2、清水 陸斗2、永尾 圭佑2、篠原 怜葵2、稲永 健太郎2 (1. 九州大学、2. 九州産業大学)
キーワード:
地域公共交通、コミュニティバス、IoTセンサ、車内環境データ、長期継続計測
地方部の路線バスは生活基盤を支える重要な移動手段であるが、収益悪化による減便・路線廃止が課題となっており、自治体が運行するコミュニティバス等により地域交通の維持が図られている。本稿では、福岡県須恵町のコミュニティバス1台にIoTセンサ(Netatmo)を搭載し、車内環境データ(温度・湿度・CO2濃度・騒音・気圧)を約5分間隔で継続収集した事例を報告する。2021年9月から2026年6月までの約5年間で総計183,175件のレコードを蓄積し、整備等による一時停止を除き全58か月にわたって計測を継続した。これは営業運行中のバスにおける長期・連続的な車内環境センシングとして比較的稀な規模である。一方、約7.7%の日でデータが欠落したほか、エンジン停止時の給電断によるセンサ停止やICカード未導入に伴う乗降客数との突合困難など、稼働車両での長期計測に固有の課題も明らかになった。本データセットはコロナ禍からの回復に伴うCO2濃度の経年的な上昇など、長期収集によってはじめて捉えられる変化を含み、地域公共交通における環境センシングの基盤として有用と考える。
