講演情報

[BI-11-02]北海道をAIファクトリー集積拠点へ:ソフトバンクの期待と戦略~次世代半導体・大規模計算基盤・フィジカルAIをつなぐ日本の次世代AIインフラ~

〇窪田 大将1 (1. ソフトバンク株式会社)

キーワード:

フィジカルAI、ソフトバンク、AIデータセンター

本講演では、生成AIの進展を背景に、AIがサイバー空間の情報処理にとどまらず、ロボット、設備、自動車、建築物など実世界の対象を認識し、判断し、働きかけるフィジカルAI時代のICTインフラの方向性を考察する。特に北海道を、AIデータセンター、再生可能エネルギー、次世代半導体関連基盤、広域通信ネットワークが重なり合う地域として捉え、地域全体がAIファクトリー化していく可能性に着目する。AIファクトリーとは、現場から得られる多様なデータを収集し、大規模計算基盤でモデルを学習・更新し、エッジや現場へ配備し、その結果を再びデータとして取り込む循環型の基盤である。この循環を地域スケールで実現するには、クラウド、エッジ、無線アクセス網、データセンター、電力基盤を分離して考えるのではなく、AIワークロードに応じて統合的に設計する視点が求められる。本講演では、苫小牧におけるAIデータセンター整備を一つの起点として、ソフトバンクが取り組むAI-RAN、AITRAS、Infrinia AI Cloud OS、Telco AI Cloudなどの分散AIインフラ構想を概説し、低遅延・高信頼な通信と大規模計算資源を連携させる意義を示す。さらに、フィジカルAIの社会実装に向けて、AIモデルの配置、エッジ・クラウド間の処理分担、デジタルツインによる事前検証、安全性・説明可能性、セキュリティ、運用自動化、国際標準化などの論点を整理する。これらは個別技術の高度化だけでなく、異なる事業者、機器、ソフトウェアが同じ現場で協調するための共通言語を必要とする。また、通信遅延や電力変動など実環境の制約を織り込んだレジリエンス設計も重要となる。北海道を舞台に、半導体、電力、通信、AIが相互に接続されることで生まれる新たな技術革新と研究テーマ探索の方向性を述べる。あわせて今後の産学官民連携と地域実証の発展可能性にも触れる。