名誉議長挨拶

巻頭言
World Forum for Women in Science – Hiroshima, Japanへようこそ。本フォーラムにおいて、世界各国の研究者や多様なステークホルダーの皆様をお迎えし、知見を共有し、協力関係を深めるとともに、科学が平和を実現するための力となり得るという共通の信念を改めて確認できることを、大変光栄に思います。
本フォーラムのテーマである**「科学外交:平和のための科学技術(Science Diplomacy: Science and Technology for Peace)」**は、今日の世界において科学が果たすべき役割と責任を示しています。人類は今、国境を越える数多くの課題に直面しています。こうした複雑な課題に取り組むためには、科学的卓越性だけでは十分ではありません。必要なのは、国家、学問分野、文化の違いを越えた信頼、対話、開かれた姿勢、そして協力です。科学外交は、その架け橋となり、知識を通じて人々を結び付け、共通の課題に対する解決策をともに創り出すことを可能にします。
その意味において、広島は本フォーラムを開催するのに最もふさわしい場所です。広島は、平和、レジリエンス、そして希望を象徴する世界的な都市です。その歩みは、たとえ困難な時代を経験した後であっても、協働、思いやり、そして知識がより良い未来を築くことができることを私たちに教えてくれます。また、科学が社会に与える影響と、人々の生活を向上させ、相互理解を促進し、人類に貢献する価値を改めて思い起こさせてくれます。
World Forum for Women in Scienceは、「Women in Science without Borders(WISWB)」による定期的な国際フォーラムです。WISWBは、2017年にエジプトで開始されたジェンダー包摂型のグローバルイニシアティブであり、現在では92か国以上に広がっています。本フォーラムは、多様な分野や背景を持つ研究者が集い、知識を共有し、持続的なパートナーシップを築き、互いに刺激を与え合う国際的なプラットフォームとなっています。
さらに、本フォーラムは、研究者一人ひとりの声が尊重され、経験が共有され、実りある対話を通じて新たな共同研究や連携の機会が生まれる場でもあります。科学は人々、社会、そして自然を結び付けるものであり、多様性と包摂性を備えた科学コミュニティこそが、地球規模課題の解決に不可欠であるという理念を、本フォーラムは体現しています。
2025年には、WISWBは**ユネスコ(UNESCO)**からジェンダー包摂型のグローバルイニシアティブとして認定されました。さらに2026年には、**NASAC(Network of African Science Academies)**が刊行した書籍『African Women Scientists Driving Science Diplomacy in Times of Crises』および電子ニュースレター『Women in Science without Borders (WISWB): Advancing Inclusive Science Diplomacy from Africa to the World』において、その活動が紹介されました。これらは、科学外交が単なる学術的概念ではなく、パートナーシップを築き、相互理解を深め、知識とイノベーションを通じて持続可能な発展を促進するための実践的なアプローチであることを示しています。
最後に、本フォーラムの開催にご尽力いただいた講演者、参加者、運営スタッフ、そして広島大学をはじめとする関係者の皆様に、心より感謝申し上げます。
本フォーラムが、新たな発想を生み出し、国際的なパートナーシップを育み、科学と技術を知識の発展のためだけでなく、平和の構築、国際理解の促進、そしてすべての人々のための持続可能で包摂的な未来の実現に活用していこうという決意を新たにする機会となることを願っています。
アマル・アミン博士
以下が、プログラム集やウェブサイトのプロフィールとして自然な日本語訳です。
Dr. Amal Aminは、エジプト国立研究センター(National Research Centre)のナノテクノロジー・高分子技術分野教授です。スペイン、ドイツ(DAAD奨学生として博士号取得)、アメリカ、フランスをはじめ30か国以上で学び、研究・教育・学術活動に携わってきました。
Dr. Amalは、**Global Young Academy(GYA)およびEgyptian Young Academy of Sciences(EYAS)**の共同設立者・運営委員を務めたほか、エジプトナノテクノロジー学会およびアラブ・ナノテクノロジーネットワークの共同設立者・コーディネーターとして活動しています。また、The World Academy of Sciences(TWAS) Young Affiliate、TWAS-TYANメンバー、TWAS-AAAS Science Diplomacy Alumniでもあります。
さらに、難民研究者や危機に直面する研究者を支援する国際イニシアティブScience in Exileの運営委員、ISTIC-UNESCOのアドバイザリーボード委員、ならびにORCID理事会元理事を歴任しています。
現在は、The World Academy of Sciences(TWAS)フェロー、International Science Council(ISC)フェローとして活動するとともに、Women in Science without Borders(WISWB)イニシアティブおよびWorld Forum for Women in Scienceシリーズの創設者・議長を務めています。また、Science for Humanity Foundation(エジプト)およびScience for Humanity Global Society(イタリア)の共同設立者・共同議長、World Forum for Science Innovation and EntrepreneurshipおよびScience Diplomacy for the Future Initiativeの共同設立者・議長でもあります。
加えて、**Northern African Research and Innovation Management Association(NARIMA)**イニシアティブの共同設立者・議長も務めています。
これまでに、Outstanding Women in Tech Award of Africa、エジプト国家優秀女性科学者賞を受賞したほか、Global Gender Scanにより、「アフリカの科学技術分野で変革をもたらす女性研究者」の一人としてエジプト代表に選出されました。さらに、2024年にはPeace, Science and Technology Leadership Award for Exceptional Women for Peaceを受賞しています。
Dr. Amalの功績は、NASAC(2017年、2020年、2026年刊行書籍)、Scientific African(2019年)、Nature(2020年)、Royal Society of Chemistry(2020年)など、多くの国際的な出版物や学術誌で紹介されています。
