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[T14-O-19]Measurement of specific heat of Tomuro stone, Sanukite and Aji stone as heat storage materials for stone-roasted coffee

*Masaru TERABAYASHI1, Hoho ANDO2, Yuki ICHIKAWA3 (1. Faculty of Engineering and Design, Kagawa University, 2. Graduate School of Science for Creative Emergence, Kagawa University, 3. DART COFFEE CO., LTD.)
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Keywords:

Tomuro stone,Sanukite,Aji stone,Specific heat,Stone-roasted coffee

 コーヒーの焙煎方法には,熱風式,直火式,石焼式,炭焼式などがある.石焼焙煎では,加熱した岩石から発生する遠赤外線によってコーヒー豆の芯まで均一に焼き上がり,雑味がなくスッキリした味わいになると言われている.日本各地で地元産の岩石を使った石焼焙煎コーヒーが開発され商品化されている.石川県の銘石である戸室石,香川県の銘石であるサヌカイトと庵治石の比熱を測定し,抽出したコーヒー液の官能試験結果とあわせて,石焼焙煎の材料として評価した.香川大学大学院創発科学研究科専門科目「環境基盤科学」において,地域の企業と連携したPBL型授業として実施したものである.
戸室石は金沢城石垣に使われ,金沢城の南東に位置する戸室山周辺に石切丁場跡が確認されている.斑状組織が明瞭な角閃石安山岩で,多量の斜長石斑晶と少量の酸化角閃岩,石英,紫蘇輝石,黒雲母斑晶を含む.淡青灰色を呈するものは青戸室石,赤色を呈するものは赤戸室石と呼ばれる.サヌカイトは,香川県の五色台や金山などに産する黒色,緻密な讃岐岩質安山岩の一種で,日本地質学会によって香川県の岩石に認定されている.他に大阪府・奈良県境の二上山周辺などにも産する.斑晶をほとんど含まず,石基はガラスと微細な直方輝石と斜長石からなる.庵治石は,香川県高松市東部の庵治半島で産する黒雲母細粒花崗閃緑岩で,石英,長石の他に少量の黒雲母と角閃石を含む.硬く,吸水性が低く,風化・変質に強い高級石材である.
3種類の岩石試料の浮力法で求めた自然状態の密度[g/cm3]は,戸室石2.340(大小2個の平均),サヌカイト2.606,庵治石2.639であった.各試料を石膏で固定し,卓上コアサンプラーで直径25mmのコアを1種類の岩石試料から各2本採取し,岩石カッターで両端を切断後,岩石研磨機で研磨して,高さ22〜29mmの供試体を製作した.円柱状供試体の中心軸付近にワイヤレス温度センサー(島津理化・PS-3201)用の深さ約15mmの穴を空けた.
比熱測定には混合法を用いた.温度の異なる物体が接触すると,高温の物体は温度が下がり,低温の物体は温度が上昇して一様な温度,つまり熱平衡の状態になる.比熱測定には,水熱量計(島津理科化・WK-100)を使用した.断熱容器の銅製内槽の質量は約84g,銅製撹拌器の質量は約13gである.プラスチック製の蓋の2つの穴には,ゴム栓に挿したワイヤレス温度センサー(水温測定用と固体温度測定用)をセットでき断熱製を高めることができる.約100gの水を入れた銅製内槽に約80℃に熱した固体を投入し,水を撹拌しながら一様の温度になるまで計測する.水の温度上昇ならびに固体の温度低下は,ブラウザベースのソフトウェアSPARKvue(PASCO scientific)を用い,2個のワイヤレス温度センサーのデータを収集した.まず,実験用比熱測定用体の比熱測定を行った.材質は銅(99.97g),鉄(99.87g),アルミニウム(100.24g)で、温度センサー用の穴(φ5mm)が空いている.1種類の金属資料について2回測定して求められた比熱[J/g・K]は,銅0.386,0.401(平均0.396),鉄0.411,0.456(平均0.433),アルミニウム0.689,0.688(平均0.697)であった.理科年表(2023年版)に掲載されているモル熱量量を原子量で割って求めた比熱[J/g・K]は,銅0.401,鉄0.448,アルミニウム0.975である.銅と鉄については実験結果と文献値の差は数%以内であるのに対し,アルミニウムの実験結果は文献値の70%ほどの値で,水熱量計の蓋を外して測定したため熱が外部に逃げたのが原因と考えられる.
岩石試料から1種類につき2個製作した供試体の比熱[J/g・K]の測定結果は,戸室石1.341,1.355(平均1.348),サヌカイト0.879,0.917(平均0.898),庵治石0.848,0.879(平均0.863)で,戸室石の比熱が他2種類の岩石に比べて大きいことが分かった.北野ほか(1988)では,花崗岩,玄武岩,砂岩および石灰岩の比熱と温度の関係を示しているが岩石の種類による差はほとんどない.常温における4種類の岩石の比熱[cal/g・K]は0.17〜0.21(0.72〜0.88[J/g・K])の範囲で,温度上昇とともに比熱は増加するが温度上昇に伴う逆転は生じない.
戸室石,サヌカイト,庵治石を石焼焙煎の石材とした焙煎豆から抽出した液体コーヒーの官能試験の結果も併せて紹介する.本研究が各種岩石を使用した石焼焙煎コーヒーの違いに科学的根拠を与え,地域ブランディングに役立つことを期待する.

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