Presentation Information
[G-P-41]Creation of the contact metamorphic map of Kyushu for risk assessment of slope hazards (Part 2)
*Makoto Saito1, Seira Katagiri1, Toshimitsu Iwaya1 (1. Geological Survey of Japan, AIST)
Keywords:
Contact metamorphic rock,slope hazard,seamless geological map
産総研地質調査総合センターでは,豪雨による斜面災害の頻発する九州を対象として,斜面災害に資する地質情報の整備を行っている.この中の重要なテーマの1つとして,接触変成帯の分布を明らかにすべく,調査研究を行い,概要について発表した(斎藤ほか, 2025).
産総研地質調査総合センターは,2017年公開の20万分の1日本シームレス地質図V2版の作成時に,岩相を細分し,目的に合わせた表示にしやすいよう構造化した凡例を作成し,その際,接触変成岩の凡例も作成した.しかし,接触変成作用の表示のない20万分の1地質図幅が多く,接触変成を被った領域の図面表示には至らず原岩表示となっている.
しかし,接触変成情報は,変成鉱物の晶出,面構造の消失など,原岩の性質を変え,斜面崩壊の種類や発生頻度に影響を及ぼすと考えられるため,接触変成情報の追加は必須であると考え,調査を行ってきた.
斎藤ほか(2025)では,九州本土で,接触変成帯分布域が示されている20万分の1及び5万分の1地質図幅を元に接触変成領域を編纂した.地質図幅に記載の無いところ,地質図幅のないところについては,過去の文献に基づくほか,筑紫山地に属する関門海峡〜平尾台地域,福岡平野の東側の三郡山地,その南側の耳納山地の一部と筑肥山地.宮崎県の大崩山コールドロンの南縁部,尾鈴山コールドロンの北西部,桜島東方の高隈山地,薩摩半島,五島列島,甑島について,現地調査を行って多数の薄片を作成し,検鏡を行った.この際,堆積岩(主に泥岩),高P/T変成岩(主に泥質片岩)については,黒雲母の晶出を基準に,黒雲母帯より高温となった部分を,接触変成帯とした.
今回,関門海峡〜平尾台地域,三郡山地,耳納山地での情報が不足する部分や,天草上島・下島において,泥質岩・泥質片岩の接触変成に注目して調査を行うと共に薄片の検鏡を行った.また,補足的に,苦鉄質岩類での緑簾石と普通角閃石の産状にも注目した.これにより,ほぼ接触変成領域が明らかになった.また,5万分の1地質図幅「尾鈴山」(木村ほか, 1991)に示された尾鈴山コールドロン内の溶結凝灰岩・花崗閃緑斑岩では,当該地質図幅の記述を元に,新たな黒雲母の産出を基準に接触変成帯の検討を行った.この結果,接触変成を被った溶結凝灰岩に柱状節理が見られないこと,花崗閃緑斑岩は基質が細粒で斑状デイサイトと呼ぶのが適切で,周囲に接触変成を与えず,逆に接触変成を被ったと考えられる部分に柱状節理が無いことがわかってきた.
これらの結果,20万分の1日本シームレス地質図V2にオーバーレイできる程度の精度で,九州全域の接触変成帯の分布を図示できることとなった.また,この過程で旧来”斑岩”とされてきた岩体の多くを20万分の1日本シームレス地質図V2の編纂時に深成岩に入れてきたが,基質が細粒で火山岩に区別すべきものは,当該地質図で変更が必要であることも明らかになった.
木村克己・巖谷敏光・三村弘二・佐藤喜男・佐藤岱生・鈴木祐一郎・坂巻幸雄(1991) 尾鈴山地域の地質.地域地質研究報告(5 万分の 1 地質図幅),地質調査所, 137p.
斎藤 眞・片桐星来・村岡やよい (2025) 斜面災害のリスク評価に資する九州の接触変成マップの作成.日本地質学会第132年学術大会講演要旨, G-O-7.
産総研地質調査総合センターは,2017年公開の20万分の1日本シームレス地質図V2版の作成時に,岩相を細分し,目的に合わせた表示にしやすいよう構造化した凡例を作成し,その際,接触変成岩の凡例も作成した.しかし,接触変成作用の表示のない20万分の1地質図幅が多く,接触変成を被った領域の図面表示には至らず原岩表示となっている.
しかし,接触変成情報は,変成鉱物の晶出,面構造の消失など,原岩の性質を変え,斜面崩壊の種類や発生頻度に影響を及ぼすと考えられるため,接触変成情報の追加は必須であると考え,調査を行ってきた.
斎藤ほか(2025)では,九州本土で,接触変成帯分布域が示されている20万分の1及び5万分の1地質図幅を元に接触変成領域を編纂した.地質図幅に記載の無いところ,地質図幅のないところについては,過去の文献に基づくほか,筑紫山地に属する関門海峡〜平尾台地域,福岡平野の東側の三郡山地,その南側の耳納山地の一部と筑肥山地.宮崎県の大崩山コールドロンの南縁部,尾鈴山コールドロンの北西部,桜島東方の高隈山地,薩摩半島,五島列島,甑島について,現地調査を行って多数の薄片を作成し,検鏡を行った.この際,堆積岩(主に泥岩),高P/T変成岩(主に泥質片岩)については,黒雲母の晶出を基準に,黒雲母帯より高温となった部分を,接触変成帯とした.
今回,関門海峡〜平尾台地域,三郡山地,耳納山地での情報が不足する部分や,天草上島・下島において,泥質岩・泥質片岩の接触変成に注目して調査を行うと共に薄片の検鏡を行った.また,補足的に,苦鉄質岩類での緑簾石と普通角閃石の産状にも注目した.これにより,ほぼ接触変成領域が明らかになった.また,5万分の1地質図幅「尾鈴山」(木村ほか, 1991)に示された尾鈴山コールドロン内の溶結凝灰岩・花崗閃緑斑岩では,当該地質図幅の記述を元に,新たな黒雲母の産出を基準に接触変成帯の検討を行った.この結果,接触変成を被った溶結凝灰岩に柱状節理が見られないこと,花崗閃緑斑岩は基質が細粒で斑状デイサイトと呼ぶのが適切で,周囲に接触変成を与えず,逆に接触変成を被ったと考えられる部分に柱状節理が無いことがわかってきた.
これらの結果,20万分の1日本シームレス地質図V2にオーバーレイできる程度の精度で,九州全域の接触変成帯の分布を図示できることとなった.また,この過程で旧来”斑岩”とされてきた岩体の多くを20万分の1日本シームレス地質図V2の編纂時に深成岩に入れてきたが,基質が細粒で火山岩に区別すべきものは,当該地質図で変更が必要であることも明らかになった.
木村克己・巖谷敏光・三村弘二・佐藤喜男・佐藤岱生・鈴木祐一郎・坂巻幸雄(1991) 尾鈴山地域の地質.地域地質研究報告(5 万分の 1 地質図幅),地質調査所, 137p.
斎藤 眞・片桐星来・村岡やよい (2025) 斜面災害のリスク評価に資する九州の接触変成マップの作成.日本地質学会第132年学術大会講演要旨, G-O-7.
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