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[G-P-42]Upper Miocene–Pleistocene Volcanic successions and its geochemical features in Jôbôji area, the border of Iwate–Aomori prefectures in Ôu Backbone Range, NE Japan

*Taqumi Tuzino1 (1. Geological Survey of Japan/AIST)
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Keywords:

Miocene,Pliocene,Woku'u Mountain,Zyauhahuzi,Araya Formation

 東北弧脊梁域は中新世以降,火山フロントの影響下にあり,多様な岩質の火山岩・火山砕屑物が積成している.岩相の類似あるいは変質による相異や(意外にも)限られた露出によって層序の認定が困難な傾向にある.青森県南部・岩手県北西端の脊梁地域「浄法寺地域」は活火山(十和田火山,岩手火山)の間にあり,いわば第四紀ホットフィンガーの間隙に相当する[1].本地域では既存研究で中新世から更新世までの火山岩の存在が知られている[2,3,4]が,一部の特徴的な火山岩[5]を除くと全容は不明である.本研究では古典的な地表踏査と薄片観察に加えて化学組成を分析することで,本地域の層序を明らかにしようとするものである.これは,地表踏査で地質体同士の層序関係を明らかにし,地質体の同一性を岩相と化学組成から認定する基本的な手法であるが,類似する特徴が層準を越えて繰替えし,変質などによって特徴が改変されるため依然として困難な手法である.

本地域の層序をまとめると以下のようになる.下部〜中部中新統の火山岩類を主とし砕屑岩を含む地層[3]を覆って,上部中新統の凝灰岩からなる田山層・清水頭層が累重する.これらを部分的に覆って上部中新統−鮮新統の荒屋層,鮮新統の御返地層及び上斗米層*,鮮新−更新統の稲庭岳層・漆沢牧野層*が分布する(*は新称).1 Maころとされる七時雨火山岩類[Nv]も一部に分布する.

田山層・清水頭層は同時期の凝灰岩類だが,前者は非海成・後者は海成層で,前者は火山礫・角礫が卓越するのに対し,後者は細粒の白色凝灰岩が卓越するが,主成分組成は重なりあう.荒屋層は本地域に広く分布し,清水頭層に似た白色凝灰岩相[At]のほか火山礫岩・凝灰角礫岩相[Av]があり,玄武岩質安山岩相,安山岩相,安山岩〜デイサイト相,デイサイト相[Ad],斑状安山岩相[Ap],斑状デイサイト相[Aq]と多様な岩相を示す(更に砕屑岩相もある).このうち玄武岩質安山岩相,安山岩相,安山岩−デイサイト相は分布がまとまっており,それぞれ浄法寺部層[J](6.5 Maころ [5]),和平部層*[Aw](ジルコン不産出),朝日奈部層*[As]とした.斑状安山岩相(5 Maころ [2])・斑状デイサイト相はまとまった分布をしており,この分布の前弧側にAt(U-Pbで5.5 Maころ.以下出典なき年代値は辻野,2024,地質学会講演要旨)が広く分布する.Adは散在しており,一部で5 Maころの年代報告[2]がある.

鮮新統・更新統は,溶結火山礫凝灰岩を主体とする御返地層[Gw](4.2 Maころ)と細粒の凝灰岩を主体とする上斗米層[Kmt](2.9 Maころ)があり,それぞれデイサイト組成,流紋岩組成を示す.その上位の稲庭岳層[I](2.7 Maころ[5])は玄武岩溶岩を主体とする火山岩で,その分布にすぐ北側に安山岩が累重しており,漆沢牧野層*と名付けた.近くに小規模な火山岩の分布(FT3.9 Ma?の'花木層'[2])があり,岩相・組成上の類似からこれも漆沢牧野層に含め,主部[Ua(m)]と花木地域[Ua(h)]として区別した.

これらのうち特徴的なものは浄法寺部層と稲庭岳層で,安井・山元らの優れた研究がある[5].化学組成でみても極立っており(図),どちらもカリウムに著しく乏しいソレイアイトである.それ以外は基本的にはカルクアルカリ系列のものが多く,低〜中カリウム系列となる.両者(JとI)の特殊性はREEパターンで見てみても明らかで,軽希土に富沃せず,むしろ左下りになることもあるパターンを示す.それ以外は軽希土に富沃し,重希土がフラットになるパターンである.Zr/Yも両者だけが2以下の低い比を示す.荒屋層は浄法寺部層も含めてカリウムが一連のトレンドをなすように見える.すなわち,浄法寺部層の極低カリウムからデイサイト相(斑状も含めて)の中カリウムまで,系列を斜交して富沃化している.安山岩〜デイサイト組成のものは汚濁斜長石がしばしば認められる.稲庭岳層と漆沢牧野層は地理的にも層序的にも近接するが,化学組成はSiO2で 54-57 %にギャップがありトレンドも連続もしない.漆沢牧野層は全体的な特徴はむしろ荒屋層の安山岩成分のものに類似する一方で,FeO*/MgOの値の範囲が広いという特徴は稲庭岳層と共通する.以上のように島弧火山岩は互いに類似するが,層序関係の把握と岩相対比・組成比較により,層序の構築を試みた.

[1] Yoshida et al. 2014, Ch.15, Orogenic Andesites and Crustal Growth, Geological Society.
[2] 通商産業省資源エネルギー庁,1985,昭和59年度広域調査報告書「八甲田地域」
[3] 小笠原ほか,1986,島弧横断ルートNo.15,新生代東北本州弧地質資料集
[4] 大口ほか,1986,島弧横断ルートNo.13,新生代東北本州弧地質資料集
[5] 安井・山元,2000,岩鉱;2006,岩鉱.山元ほか,2008,岩鉱

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