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[G-P-44]Occurrence of trace fossils in the Ozenji Formation of the Kazusa Group in the Tama Hills, central Japan.

*Kiyokazu Kawajiri1 (1. Sagamihara City Museum)
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Keywords:

trace fossil,Kazusa Group,Ozenji Formation,Tama Hills,silt

 関東平野西縁部の多摩丘陵には鮮新世から前期更新世の浅海成および陸成堆積物の上総層群が分布している.多摩丘陵東部の上総層群は下位より鶴川層,柿生層,王禅寺層,飯室層,高津層によって構成される(高野,1994).多摩丘陵に分布する上総層群の生痕化石については,泉・乾(2017)の報告があるものの,報告例は非常に少ない.今回,王禅寺層のシルト層より多数の生痕化石を見出したので,その産状について報告する.
今回,生痕化石が見つかったのは東京都町田市三輪町の通称「山谷の切り通し」に見られる王禅寺層のシルト層からである.この地点の王禅寺層はシルト層と細粒砂層の互層よりなり,シルト層の層厚は40〜70 cm,砂層の層厚は5〜20 cmでシルト層が卓越する.シルト層には連続性に乏しい砂の薄層が挟在される場合がある.堆積環境は内湾〜浅海と考えられ,堆積年代は前期更新世,1.5〜1.3 Maとされている(植木,2013).砂層は赤褐色〜黄褐色を呈する.シルト層は灰色を呈するが,砂層の直下および直上では,ほとんどの部分で厚さ数〜15 cmの範囲で赤褐色〜黄褐色化している.赤褐色〜黄褐色化したシルト層中には濃褐色〜黒色の赤鉄鉱や褐鉄鉱と考えれる鉄鉱物の薄層が数枚見られる.また,急傾斜の節理に沿ってもシルト層の赤褐色〜黄褐色化が認められる.砂層およびシルト層の赤褐色〜黄褐色化は地表に露出した後に,降水や地下水の影響を受けたものと考えられる.
生痕化石は形状などにより,大きく二つに分けられ,それぞれ,AタイプおよびBタイプとする.Aタイプの生痕化石は,長さ数〜10 mm、直径 1~2 mm の斑点状ないしチューブ状である.ほとんどのものは分枝せず,互いに交差しない.ゆるやかに湾曲するものが多いが,U字状を呈するものも認められる.方向はランダムで,U字状のものもその向きはランダムである.内部構造は認められない.密集する場合が多いが,散在する場合もある.充填物はシルトで,周囲のシルトよりも細粒であるが,色調が似ているため識別しにくい.ただし,赤褐色〜黄褐色化したシルト層中のものは変色しておらず,周囲のシルトとのコントラステトが明瞭で容易に識別できる.充填物のシルトと周囲のシルトとで色が異なるのは,透水率の違い,すなわち,充填物のシルトは水を通しにくく,鉄鉱物が沈積していないことを表していると考えられる.
タイプBは直径2〜3 cmで長さは最大25 cmである.ゆるやかに湾曲し,分枝しない.層理面に垂直なものが多いが,平行に近いものも認められる.密集せず,散在するが,2本が並列している場合もある.充填物は直上の砂層と同様の細粒砂である.内部構造は確認できなかった.
観察地点ではAタイプとBタイプはほとんど共存しない.露頭の下部ではAタイプが見られ,露頭の上部ではBタイプが見られる.層準により存在する生痕化石が異なるのは堆積環境が異なることを示している可能性がある.

泉賢太郎・乾 睦子, 2017. 国士舘大学理工学部紀要, 10, 39-46.
高野繁昭, 1994. 地質学雑誌, 100, 675-691.
植木岳雪, 2013. 八王子地域の地質, 第5章, 5万図幅, 産総研, 37-60.

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