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[03心-ポ-29]大学生女子ラクロス部における集団凝集性と集合的効力感競技成績に着目して
*Ayami Kuroki1, Hironobu Tsuchiya2 (1. Osaka University of Health and Sport Sciences Graduate School, 2. Osaka University of Health and Sport Sciences)
スポーツ集団研究における集団凝集性と集合的効力感の対象者はバスケットボール等のメジャースポーツが多く、選手の競技歴も影響してると考えられる。我が国ではカレッジスポーツといわれるラクロスは、学生ラクロス連盟が1988年に発足したように歴史的に浅く、競技者の約9割が大学から始めていることからも他競技に比べ技能水準に大きな差が出にくい競技である。しかし、例年どの地域リーグでも上位下位の大きな順位変動が起きないことは集団の心理が影響している可能性がある。そこで本研究は、学生女子ラクロス地域1部リーグに所属する上位2大学43名,下位2大学25名を対象に、競技成績による集団凝集性および集合的効力感について検討した。質問紙はGEQの翻訳版尺度(織田ほか、2007)と日本語版スポーツ集合的効力感尺度(内田ほか、2014)を用いた。分析は競技成績を独立変数、集団凝集性と集合的効力感を従属変数とし、t検定を行った。その結果、成績上位群が集団凝集性においてGI-T(t66)=5.04,p<.01),GI-S(t(66)=2.97,p<.01)、総合点(t(66)=3.08,p<.01)で、集合的効力感では「能力」(t(66)=4.61,p<.01)、「努力」(t(66)=5.17,p<.01)、「忍耐力」(t(66)=4.39,p<.01)、「準備力」(t(66)=4.72,p<.01)、「結束力」(t(66)=4.42,p<.01)、「総合点」(t(66)=5.31,p<.01)で有意に高い値を示した。メジャースポーツを対象にした先行研究(辰見ら、2020など)で集団凝集性と集合的効力感はパフォーマンスと正の関連を有すると明らかにされている。本研究で対象としたカレッジスポーツであるラクロスでも、集団凝集性と集合的効力感が競技成績に関わっていることが示され、同様の結果が得られた。
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