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[09方-ポ-13]上級アスリートへのパーソナルコーチングの作用
*K Aoyagi1 (1. Kanto Gakuin University)
同じ「コーチング」という語でも、スポーツ領域とビジネス領域等で用いられているものには認識の差異がある。スポーツ領域においては技術や戦術の指導を主軸としながらも、選手に望ましい結果を導くためにコーチがとる行動すべてを指すような広義な概念として用いられている。一方で、ビジネス領域等で行われているコーチング(以下、パーソナルコーチング)は「受け手の目標達成を目指し、対等な関係性を土台とした対話によって気づきや学び、自発的な行動を引き出す関わり」を指す。パーソナルコーチングの作用を鑑みるとアスリートへも好影響があることが予想されるが、アスリートを対象としてパーソナルコーチングを実践した事例はほとんど報告されていない。そこで本研究では、パーソナルコーチングがアスリートにどのように作用するのかを明らかにすることを目的とした。本研究では、パーソナルコーチングを受けた経験のある競技レベルの高いアスリート14名(男性8名、女性6名)を対象に、パーソナルコーチングの作用(競技面、心理面、社会面などへの影響や受けたことによる変化)を問う1対1の半構造化インタビュー調査を実施した。録音したインタビューデータはすべて逐語化し、修正版グラウンデッド・セオリー・アプローチを用いて分析した。分析の結果、50の概念が抽出され、パーソナルコーチングによる気づきや言語化が行動変容や心理面への作用、パフォーマンス向上を介して、競技成績へとつながるプロセスがモデル化された。また、人間的成長やセルフコーチングの上達、指導への応用、キャリアデザインの進展などの副次的な作用も確認された。
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