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[競技スポーツ-A-29]車いすラグビー選手における競技用車いすのパワーポジション(バ)

*Mikito Hikosaka1 (1. National Rehabilitation Center for Persons with Disabilities)
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車いすラグビーは、車いす同士の激しい接触が認められた競技であり、頚髄損傷や脳性麻痺などにより上肢や体幹の運動機能障害を有する選手が参加する。これまでの研究では、加速局面や駆動特性に関する研究が多い一方で、競技特有のタックルや相手車いすを押し込む際の力発揮メカニズムについては十分に明らかになっていない。本研究では、競技用車いすで最大の牽引力を発揮できる姿勢を「パワーポジション」と定義し、その特徴を定量的に明らかにすることを目的とした。独自に開発した牽引力計測システムを用い、競技用車いすに搭乗した状態で前後方向への牽引力を測定した。さらに、同時撮影した映像から関節標点を解析し、牽引力発揮時の姿勢や関節角度を算出することで、力発揮と身体動作の関係を評価した。これまでに41名の選手を計測した結果、クラス分けと牽引力には正の相関関係が認められた(|rho|=0.621–0.791, p<0.05)。また、牽引時には障害レベルが重い選手は残存する肘関節の屈曲動作に依存する一方で、障害レベルが軽い選手は体幹や肩関節など多関節を協調させた動作パターンを取ることが分かった。これらの結果は、障害特性に応じて最適な力発揮姿勢が異なる可能性を示している。牽引力は、20mスプリントタイムとも相関しており(|r|=0.698–0.731, p<0.05)、競技パフォーマンスを説明するための妥当性は高い。そのため、牽引力発揮の姿勢、すなわちパワーポジションを精査することで、残存機能に応じた動作戦略の理解や最適な車いすセッティングの考案へと広がる可能性がある。本研究の成果は、競技パフォーマンス向上に向けた科学的支援のみならず、他の車いす競技への展開や障害特性に応じたトレーニング指針の開発、さらには競技力評価手法の高度化にも貢献することが期待される。

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