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[03心-ポ-10]攻撃・防御的な文脈による攻撃・防御反応の促進と抑制
*Motoki Okumura1, Akifumi Kijima2, Yuji Yamamoto3 (1. Tokyo Gakugei University, 2. University of Yamanashi, 3. Niigata University of Health and Welfare)
対人競技では環境の変化に対して素早く正確に反応する必要があり,先行研究では競技レベルが高い選手ほど反応が速く正確になることが示されている.しかし,反応の時間や正確性に影響する要因については不明点が多く,その要因を解明することは,研究・競技の双方において重要な意義をもつ.本研究では,自分や相手が攻撃や防御しやすい文脈のときに,攻撃や防御の反応が促進または抑制されるかを検討した.実験では剣道の動作を用い,1)自分も相手も動かない中立的文脈,2)自分が前進する攻撃的文脈,3)自分が後退する防御的文脈,4)相手が後退する攻撃的文脈,5)相手が前進する防御的文脈の5条件を設定した.その後,①相手が面か小手を空ける,②相手が面か小手を打突する,の計20種の映像刺激を呈示し,①に2種の攻撃,②に2種の防御をする4選択反応課題を実施した.各刺激を30試技ずつ呈示し,計600試技を行った.参加者は,刺激に対してボタンを押して反応し,試合と同じように速く正確に反応するように教示された.相手役は協力者1名が務め,モニタ上の相手の大きさが実戦場面と同じ視野角となるよう設定した.分析の結果,自分が前進・後退する文脈では,攻撃的文脈で攻撃の反応時間が短縮するなど,文脈と一致する反応の促進が認められた一方で,文脈と一致しない反応の変化も確認された.また,相手が前進・後退する文脈では,防御的文脈で防御の反応が促進され,攻撃的文脈で防御の反応が抑制されるように,文脈と整合する反応の促進・抑制が多く観察された.これらの結果は,反応が文脈に依存して促進または抑制されることを示している.文脈情報がプライム刺激として機能し,関連する脳内処理を賦活することで,後続の反応を促進または抑制したと考えられる.実戦場面においても,攻撃的な文脈で防御の反応が遅延するような現象が生じている可能性がある.
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