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[競技スポーツ-A-16]並進速度の増大は上肢動作を変えずに投球速度を高める(バ,コ)

*Tatsuya Aoki1, Kanno Yuta1, Takuto Satsuma1, Satoru Tanigawa2 (1. Graduate School of Comprehensive Human Sciences, University of Tsukuba, 2. Institute of Health and Sport Sciences, University of Tsukuba)
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下肢や体幹で生成されたエネルギーは運動連鎖を介して投球腕に伝達され,投球速度を高める。踏込脚着地以前において,骨盤の力学的エネルギーは捕手方向への並進運動エネルギーが主体である。並進速度の増大は投球速度向上の一因となり得る一方で,これに伴う上肢の運動学的変化は投球動作の安定を損なう可能性がある。本研究は,通常投球(NOR)と意図的に並進速度を大きくする自由助走投球(FREE)を比較し,投球速度および上肢の運動学的変化を検討した。大学野球選手7名が2条件で全力投球を行った。動作計測には光学式モーションキャプチャ(Vicon, 250 Hz)および床反力計(Kistler, 1000 Hz)を用いた。条件間の比較には線形混合モデルを適用し,被験者を変量効果として投入した。効果量は標準化平均差(SMD)により評価した。条件間投球速度増加量の個人差については軸脚推進力積に着目し,Pearsonの積率相関係数を用いて検討した。FREEはNORと比較して,骨盤並進速度(β=0.7 m/s,SMD=1.51),投球速度(β=0.8 m/s,SMD=0.53)および骨盤最大回旋角速度(SMD=1.27)が増加した。一方,踏込脚接地からリリースまでの時間,体幹回旋・肩内旋・肘伸展角速度のピーク時相,肩最大外旋角度,リリース時体幹前傾角には実質的な変化が認められなかった(|SMD|<0.2)。体幹捻転角度(SMD=-0.74)およびストライド長(SMD=-1.06)はFREEで減少した。条件間投球速度増加量は,NORの軸脚推進力積と強い負の相関関係を示した(r=-0.81)。FREEでは投球速度が増加した一方,本研究で評価した主要な上肢運動学指標には実質的な変化が認められなかった。また,NOR条件における軸脚推進力積が小さい選手ほど,FREEによる投球速度増加量が大きい傾向が示された。

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