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[競技スポーツ-A-25]ハンドボールのトップコーチにおける戦況の捉え方に関する質的研究(コ)公式戦で対戦した2名のコーチの采配に関する語りを手がかりに

*Kosuke Kaya1, Ren Yoshikane2, Hiroshi Aida1 (1. University of Tsukuba, 2. Japan Women's College of Physical Education)
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本研究の目的は,20XX年全日本学生ハンドボール選手権大会女子決勝戦において,対戦した両コーチが戦況をどのように捉え,実際の試合展開に応じていかに采配を行っていたかを明らかにすることであった.試合に負けたコーチLと勝ったコーチWを対象として,決勝戦の試合映像を視覚的な手がかりとする再生刺激法による半構造化インタビューを実施した.まず,2名から得られた発話データをそれぞれ逐語録として文字に起こした.次に,逐語録からゲームプランとゲーム展開に関係する発話を抽出した.分析には,大谷(2008)の提唱している質的分析手法であるSCATを採用した.具体的には,各コーチの発話から重要な語句を抽出し,語句を言い換え,概念化するステップを経て,それぞれのコーチの戦況の捉え方を示すストーリーラインを作成し,それらを対比させながら解釈を行った.その結果,以下の3つの知見が導き出された.第1に,試合前のゲームプランにおいては,コーチLは自チームの最高戦力を対戦相手にぶつける「プロセス重視の考え」を抱いていたのに対し,コーチWは自チームが劣勢になることを想定して時間と点数を管理する「数値による現実的な見方」を採用していたという対比が示された.第2に,実際の采配については,コーチLはコート上の選手の混乱と認知的な飽和状態を察知し,チームのさらなる崩壊を防ぐために現状維持を志向していたのに対し,コーチWはゲームの後半に最大8点リードの安全圏に達しても,コーチ自身の規律重視の指導スタイルを変化させず,優勢下でも選手へ厳格な規律を求め続けていたという特徴が認められた.第3に,采配に関する振り返りにおいては,コーチLは試合映像を俯瞰して自身の試合中の判断を納得し受け入れたのに対し,コーチWは勝利という事実に救われ,試合内容に危うさがあったことを事後的に認識していた.

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