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[15政-口-01]教育政策としての「生きる力」における体育の形成経緯第15期中央教育審議会の議事録分析を通じて

*Yuriko Enomoto1 (1. Graduate School of Hokkaido University)
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中央教育審議会(第15期:1995-97)は、1996年の答申で「生きる力」を提唱する。この「生きる力」は、現行の学習指導要領でも「知・徳・体のバランス」のとれた育成理念として示されており、今日までの教育政策の基軸として位置づいている。それでは、「生きる力」の「体」(体育)は、どのような育成を担うことが求められてきたのか。教育行政領域における先行研究では、「生きる力」の提唱当初は人間性を重視した教育概念であったが、2000年代前半には学力・能力を重視する概念に変容したことを指摘している(鳶島、2010他)。しかし、管見の限り、提唱当初の体育の内実に対する実証的検討は未着手である。
 そこで本研究は、「生きる力」の提唱に至る過程で、体育に関する機能と意味内容がどのように形成されたのかを明らかにすることを目的とする。
 本研究では、まず、第15期中教審を対象に情報公開請求を実施し、議事録(1,873頁)を入手した。次に、これらを分析し、以下のことを明らかにした。1)中教審第1小委員会が形成した「生きる力」は、人間性重視と知の質的転換を軸とし、これらを統合するために「知・徳・体」の枠組みを採用した。しかし、この構造は並列ではなく、創造的な新しい「知」と、その基盤としての「人間性」(徳・体)という二層構造であった。2)「生きる力」の体育内容を規定した「たくましく生きるための健康・体力」は、第10回第1小委員会(1996/1/31)で文案化された。審議過程のヒアリングでは、体力低下や疾病状況の変化、心の悩みの増加に対応するための「心と体の健康を重視した教育」(第5回1995/11/6)や、学校・社会体育の共通のねらいである「心身の健全な発達」(第6回11/27)が要請されていた。3)以上、提唱当初の「生きる力」における体育とは、教育の基盤として機能し、心身の一体的育成を企図する内容であった。

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