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[03心-ポ-73]異なる報酬・損失条件が事前の狙いと実際の運動に及ぼす影響下手投げ課題を用いて

*Soshiro Ueno1, Teppei Saegusa1, Masahiro Kokubu2 (1. Graduate School, University of Tsukuba, 2. Institute of Health and Sport Sciences, University of Tsukuba)
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野球のストライクゾーンやテニスのアウトラインなど,空間的な枠の際を狙うことで大きなリターンが期待される一方,外れれば損失を被る運動において,ヒトはしばしば過度にギリギリを狙いすぎる(例えばOta et al., 2020).本研究は,報酬や損失に対するヒトの主観的価値や動作中のリスク調整に着目し,異なる報酬・損失関数に対するリスクテイキングを,事前の狙いと実際の運動結果を切り分けて検討することを目的とした.10名の対象者は,3m先の壁面に表示された台形の得点フィールドに向かって下手投げで投球する課題を行った.本課題では,台形の上部ほど得点獲得または減点回避の価値が高い一方,台形の幅が狭くなるため,枠外に外れて損失を被るリスクも高かった.条件は,得点を獲得するReward Condition (RC),減点を回避するLoss Condition (LC),得点獲得と減点回避を含むMixed Condition (MC)の3条件で,各20試行実施した.対象者は,毎試行前に白線の高さをキー操作で調整し,事前の狙いを宣言した.狙いの高さ,実際の投球位置,両者の差分について線形混合モデルによる分析を実施した.その結果,事前の狙いと実際の投球位置は条件間で有意に異なり(p < 0.001),RC,LC,MCの順に低く,リスク回避側へシフトした.また,RCとLCでは実際の投球が事前の狙いよりも有意に低かった(順にp = 0.004, p = 0.024).報酬・損失関数は事前の狙いと実運動の双方に異なる影響を及ぼすとともに,狙いの決定から動作完了まで,自身の運動のばらつきに基づいたリスク調整が継続的に行われている可能性を示唆した.本研究は,競技場面で経験的に語られてきた「狙ったよりも置きにいった」行動を,事前の狙いと実運動の両側面から定量化し,運動におけるリスク調整の実態を示す基礎的知見となることを期待する.

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