Presentation Information
[04生-KL-1]On the possibilities of training under intermittent hyperoxic environments
*Junichi Suzuki1 (1. Hokkaido University of Education)
<演者略歴>
1990: 筑波大学体育研究科修了(体育学修士)生理学研究室・竹宮隆教授に師事
1990-1992: JICA海外ボランティアとしてネパールで活動。酷い高山病を経験し低酸素の恐ろしさを実体験。
2000: 博士(医学)取得(北海道大学)電子科学研究所・小山富康教授、医学部病理学教室・長嶋和郎教授に師事
1990: 筑波大学体育研究科修了(体育学修士)生理学研究室・竹宮隆教授に師事
1990-1992: JICA海外ボランティアとしてネパールで活動。酷い高山病を経験し低酸素の恐ろしさを実体験。
2000: 博士(医学)取得(北海道大学)電子科学研究所・小山富康教授、医学部病理学教室・長嶋和郎教授に師事
本講演では、反復高酸素環境下での運動(INT)が運動能力に及ぼす付加的効果について、演者によるマウスを用いた研究成果を紹介しながら、アスリートへの応用の可能性について展望したい。
ヒトが60% の高酸素を吸入すると主に溶存酸素の増加により動脈血酸素分圧が約300 Torr程度まで増加し、吸入酸素濃度が高いほど運動時の身体的・精神的負担が少ないことが知られている。安静状態での2時間の100%O2暴露後、常酸素での回復時に血中のエリスロポエチン(EPO)濃度の増加が報告されている(Balestra, 2006)。これは、高酸素により低酸素誘導因子(HIF)の発現が亢進、つまり低酸素と同等の刺激を惹起することを示している。高酸素下では細胞内の活性酸素種(ROS)が増加しHIFの分解を促進しているが、常酸素へ戻ると高酸素下で増加していた抗酸化物質がROSを消去するため、HIFの安定化が促進され標的遺伝子のEPO発現が増加すると考えられている(Balestra, 2006)。高酸素から常酸素へ戻った際、生体には低酸素と同等の変化が生じており、Hypoxia-Hyperoxia paradoxと呼ばれている。このことから、高酸素/常酸素を反復するINT法が運動適応を促進する可能性があるとの発想を得た。運動中に常酸素と30%O2を繰り返すINTは持久力向上に付加的な効果があるが、持続的な30%O2では効果はなかった[Suzuki, 2024]。さらに、幼若期から長期間にわたって持久的鍛錬を積んだマウスにおいて、INT30%O2により持久力のさらなる向上がみられた[Suzuki, 2025]。そこで、INTの効果と酸素濃度の関係を観察するため、50%と75%O2を用いたINTを実施した。その結果、75%で持久力向上と主に横隔膜での各種代謝酵素活性の増加が見られたが、50%では持久力の向上は観察されなかった。このことから、INTの効果は酸素濃度によって異なることが示唆された。
ヒトが60% の高酸素を吸入すると主に溶存酸素の増加により動脈血酸素分圧が約300 Torr程度まで増加し、吸入酸素濃度が高いほど運動時の身体的・精神的負担が少ないことが知られている。安静状態での2時間の100%O2暴露後、常酸素での回復時に血中のエリスロポエチン(EPO)濃度の増加が報告されている(Balestra, 2006)。これは、高酸素により低酸素誘導因子(HIF)の発現が亢進、つまり低酸素と同等の刺激を惹起することを示している。高酸素下では細胞内の活性酸素種(ROS)が増加しHIFの分解を促進しているが、常酸素へ戻ると高酸素下で増加していた抗酸化物質がROSを消去するため、HIFの安定化が促進され標的遺伝子のEPO発現が増加すると考えられている(Balestra, 2006)。高酸素から常酸素へ戻った際、生体には低酸素と同等の変化が生じており、Hypoxia-Hyperoxia paradoxと呼ばれている。このことから、高酸素/常酸素を反復するINT法が運動適応を促進する可能性があるとの発想を得た。運動中に常酸素と30%O2を繰り返すINTは持久力向上に付加的な効果があるが、持続的な30%O2では効果はなかった[Suzuki, 2024]。さらに、幼若期から長期間にわたって持久的鍛錬を積んだマウスにおいて、INT30%O2により持久力のさらなる向上がみられた[Suzuki, 2025]。そこで、INTの効果と酸素濃度の関係を観察するため、50%と75%O2を用いたINTを実施した。その結果、75%で持久力向上と主に横隔膜での各種代謝酵素活性の増加が見られたが、50%では持久力の向上は観察されなかった。このことから、INTの効果は酸素濃度によって異なることが示唆された。
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