Presentation Information
[スポーツ文化-SA-1]Resilience of Disaster-hit Area Surrounding the ‘Recovery Olympics’
*Shinta Sasao1 (1. School of Commerce, Meiji University)
<演者略歴>
明治大学商学部専任准教授。博士(社会学)。仙台大学、東京女子体育大学を経て2026年から現職。2011-2014年度フットサル宮城県選抜。専門は体育・スポーツ社会学。主な著書に『「復興五輪」とはなんだったのか』(大修館書店、2022年)、『サッカー報道とナショナリズム』(青弓社、2026年)など。
明治大学商学部専任准教授。博士(社会学)。仙台大学、東京女子体育大学を経て2026年から現職。2011-2014年度フットサル宮城県選抜。専門は体育・スポーツ社会学。主な著書に『「復興五輪」とはなんだったのか』(大修館書店、2022年)、『サッカー報道とナショナリズム』(青弓社、2026年)など。
2011年3月の東日本大震災後、日本社会では「スポーツの力」が盛んに語られてきた。被災地では、ベガルタ仙台の躍進や、東北楽天ゴールデンイーグルスの日本一などが復興の象徴として称揚され、「復興五輪」を掲げた2020年東京オリンピックもその延長線上で理解されてきた。しかし、こうした「スポーツの力」は、本当に被災地の復興や人々の生活再建に寄与したと言えるだろうか。本発表では、特に「復興五輪」に着目し、それを被災地のレジリエンスという観点から再検討したい。
その際に鍵となるのが、レジリエンス概念の複相性である。震災後の日本政府は、レジリエンスを「強靱性」と解釈し、ナショナル・レジリエンス(国土強靱化)の強化を推し進めてきた。しかし、レジリエンス概念には、生活世界を回復させる「復元力」という側面が含まれる。つまり、日本という国家のレジリエンスを高めることと、被災地住民の生活を回復させることは、必ずしも一致しないのである。
本発表では、以上の観点から「復興五輪」を捉え直したい。内閣府やJOCに代表される「中央」は、日本の「強靱性」を世界に示す装置として「復興五輪」を推進した。他方で被災地の自治体や住民もまた、それを自らの生活再建や地域振興といった地域の「復元力」を高めるための機会として、したたかに転用しようとしていた。本発表では、こうした「中央」と地域の異なるレジリエンスの交錯を通じて、「スポーツの力」の持つ意味について検討したい。
その際に鍵となるのが、レジリエンス概念の複相性である。震災後の日本政府は、レジリエンスを「強靱性」と解釈し、ナショナル・レジリエンス(国土強靱化)の強化を推し進めてきた。しかし、レジリエンス概念には、生活世界を回復させる「復元力」という側面が含まれる。つまり、日本という国家のレジリエンスを高めることと、被災地住民の生活を回復させることは、必ずしも一致しないのである。
本発表では、以上の観点から「復興五輪」を捉え直したい。内閣府やJOCに代表される「中央」は、日本の「強靱性」を世界に示す装置として「復興五輪」を推進した。他方で被災地の自治体や住民もまた、それを自らの生活再建や地域振興といった地域の「復元力」を高めるための機会として、したたかに転用しようとしていた。本発表では、こうした「中央」と地域の異なるレジリエンスの交錯を通じて、「スポーツの力」の持つ意味について検討したい。
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