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[スポーツ文化-SA-3]Reconfiguring Social Relationships through Sport: Resilience in Sports Communities in the Dominican Republic

*Satoru Kubota1 (1. Faculty Regional Creation, Nara Prefectural University)
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<演者略歴>
奈良県立大学地域創造学部教授。博士(文学)。2024年から現職。専門はスポーツ人類学・移民研究。主な著書に『「野球移民」を生みだす人びと:ドミニカ共和国とアメリカにまたがる扶養義務のネットワーク』(清水弘文堂書房、2016年)、『スポーツの世界史』(一色出版、2018年)『郷土食が紡ぐ新たな物語』(風塵社、2024年)など。
本報告は、新自由主義の浸透によって深刻な貧困に直面するドミニカ共和国(以下、ドミニカ)の地域社会の人々が、不確実な社会状況に適応するために、スポーツを通じて共同体の関係性を再編しながら生活を維持している実態から、レジリエンス概念を再考するものである。
 カリブ海地域に位置するドミニカは、多くのメジャーリーガーを送り出す国として知られている。かつては、彼らが獲得した富の一部は、家族・親族だけでなく、出身コミュティ全体に分配することが、慢性的な貧困にあえぐ地域社会において道徳的実践として共有されていた。近年になり、アメリカで内面化される個人主義的な価値観の影響により、大規模な富の分配は縮小しつつある。だがそれは共同体との関係性が失われたことを意味しない。メジャーリーガーは、市場的成功と共同体への道徳的責任とのあいだで葛藤を抱えながら、新たな支援や連帯のあり方を模索している。ここでは、元メジャーリーガーらがパトロンとなって開催されるバスケットボールのコミュニティ対抗戦における地域代表チームへの資金提供の実態から、多くの若者や地域住民をスポーツコミュニティへ巻き込む形で集団のレジリエンスが立ち上がっていく過程を提示する。
 こうした事例を踏まえ本報告では、レジリエンスを「個人の困難から回復する能力」ではなく、「不安定な世界のなかで、人々が関係性・道徳を編み直しながら生き続ける営み」として捉える必要性について文化人類学の視点から考察を試みたい。

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