Presentation Information
[01史-KL-1]Dimensional Consideration of Localism in Globalism and Globalism in Localism on Historical Studies of Physical Education and Sport体育・スポーツ史の地平を考える
*Keiko Ikeda1 (1. Hokkaido University)
<演者略歴>
1995年奈良女子大学大学院博士課程人間文化研究科比較文化学専攻修了/北海道大学大学院教育学研究院教授
主著:『前ヴィクトリア時代のスポーツ―ピアス・イーガンの「スポーツ」の世界』(不昧堂、1996年)、『英国のスポーツ規範と明治武士道』(叢文社、2024年)など。
1995年奈良女子大学大学院博士課程人間文化研究科比較文化学専攻修了/北海道大学大学院教育学研究院教授
主著:『前ヴィクトリア時代のスポーツ―ピアス・イーガンの「スポーツ」の世界』(不昧堂、1996年)、『英国のスポーツ規範と明治武士道』(叢文社、2024年)など。
開拓期北海道は中央政府の社会文化的制度に見合う近代教育システムを整える使命を背負った。したがって、道庁を置く札幌は中央政府の代理人、かつ北海道という土地に根ざした地域整備の推進役を担った。こうした国家内部での中央と地方、中心と周縁の相互作用はグローバルな地平においてもあてはまる。すなわち、近代の覇権国家から波及した均質的な近代のメカニズムが従属国とその周辺、辺境地域に求められていくのに対し、伝統や多様性の維持、その折衷にかかわる文化ヘゲモニーが介在した。この意味で体育・スポーツは近代初期から越境的かつ普遍的性格を胚胎すると同時に、一国史のナラティヴに象徴される地域固有の受容過程を有したと言える。それゆえ、グローバリズムとローカリズムには、微細なエイジェンシーの交錯、葛藤が伴い、その構築性を明らかにすることは、はじめから体育・スポーツ史研究の課題につきものであった。また、初期の体育・スポーツ史家による西欧史研究は覇権国家の文化的足跡を辿る必要性に駆られたものであった。その延長上に日本的受容の固有性を解き明かす試みが加わり、続く世代はその再構築の必要性に迫る。「グローバリズムにみるローカリズム、ローカリズムにみるグローバリズム」のマリアージュは、こうした研究史の脈絡ともかかわる。かつて筆者は近代社会転換前夜のイングランド史を通じて、近代の相対化を試みた。近年、編著者として刊行の『英国のスポーツ規範と明治武士道』(2024年)は同パースペクティヴの延長上にあり、ゆえに、地域比較ではなく、その有機的結合関係と近代特有の文化ナショナリズムを例証することにつながった。また「グローバリズムにみるローカリズム、ローカリズムにみるグローバリズム」は二元論を超克する「グローカル」の理念ともかかわる。報告では自身の研究を下地に、普遍的なるものと個別特殊性の往還について考えるための素材を提示する。
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