Presentation Information
[生涯スポーツ-SA-3]Organizational Conditions for Learning from FailureRethinking Failure Beliefs among Supporting Actors in a Lifelong Sport Society
*Ryo Misawa1 (1. Okayama University)
<演者略歴>
九州大学大学院人間環境学府博士後期課程単位修得後退学。博士(心理学)。電力中央研究所ヒューマンファクター研究センター主任研究員、奈良大学社会学部心理学科講師、岡山大学講師・准教授を経て、2025年より岡山大学学術研究院教育学域教授。専門は産業・組織心理学。チームワーク、組織文化・風土、仕事の安全に関する研究に従事している。産業・組織心理学会理事。
九州大学大学院人間環境学府博士後期課程単位修得後退学。博士(心理学)。電力中央研究所ヒューマンファクター研究センター主任研究員、奈良大学社会学部心理学科講師、岡山大学講師・准教授を経て、2025年より岡山大学学術研究院教育学域教授。専門は産業・組織心理学。チームワーク、組織文化・風土、仕事の安全に関する研究に従事している。産業・組織心理学会理事。
生涯スポーツ社会を実現するためには、スポーツに参加する人々を増やすだけでなく、それを支える指導者、学校、競技団体、行政、地域組織が、実践や制度のあり方を問い直すことが求められる。スポーツは、健康、成長、仲間づくり、地域づくりに寄与する一方で、学校体育や運動部活動における不適切な指導、競技性や勝利を過度に重視する規範、参加しにくい人々の取りこぼしなど、生涯スポーツ社会の理念と整合しない「うまくいっていないこと」も生じうる。重要なのは、失敗が存在すること自体ではなく、それが見えにくく、語られにくく、組織的な学習に結びつかないことである。
本発表では、産業・組織心理学の立場から、失敗を学習に変えるための組織的条件を検討する。まず、失敗観に関する知見を手がかりに、失敗が「避けるべきもの」「責められるもの」と意味づけられると、隠蔽や個人化が促されることを整理する。次に、組織学習や心理的安全性の観点から、失敗から学べない要因を検討する。具体的には、個人責任への過度な還元、異論や違和感を語りにくい権限構造・集団規範、成功体験に支えられた小さな違和感や取りこぼしの見逃し、前提を問い直さない対症療法的な改善を取り上げる。これらは、失敗を経験しても教訓が共有されず、同じ問題が繰り返される背景となりうる。スポーツ集団では、強い一体感や成果への期待が、問題提起のしにくさを生む場合がある。以上の整理を通して、生涯スポーツ社会の実現を支える実践や制度の中にみられる「うまくいっていないこと」を、個人の意識や努力不足だけに還元せず、支える側の組織学習の問題として捉え直す視点を示したい。失敗を肯定するのではなく、失敗を語り、公正に分析し、支える側自身の成功観・指導観・制度設計を問い直す必要性について論じる。
本発表では、産業・組織心理学の立場から、失敗を学習に変えるための組織的条件を検討する。まず、失敗観に関する知見を手がかりに、失敗が「避けるべきもの」「責められるもの」と意味づけられると、隠蔽や個人化が促されることを整理する。次に、組織学習や心理的安全性の観点から、失敗から学べない要因を検討する。具体的には、個人責任への過度な還元、異論や違和感を語りにくい権限構造・集団規範、成功体験に支えられた小さな違和感や取りこぼしの見逃し、前提を問い直さない対症療法的な改善を取り上げる。これらは、失敗を経験しても教訓が共有されず、同じ問題が繰り返される背景となりうる。スポーツ集団では、強い一体感や成果への期待が、問題提起のしにくさを生む場合がある。以上の整理を通して、生涯スポーツ社会の実現を支える実践や制度の中にみられる「うまくいっていないこと」を、個人の意識や努力不足だけに還元せず、支える側の組織学習の問題として捉え直す視点を示したい。失敗を肯定するのではなく、失敗を語り、公正に分析し、支える側自身の成功観・指導観・制度設計を問い直す必要性について論じる。
Comment
To browse or post comments, you must log in.Log in
