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[学校保健体育-A-04]アダプテッドの逆説(教,ア)体育授業における障がいのある学習者の承認の成立過程

*Taiga Hagiwara1, Takafumi Tomura2 (1. Kansai University of Social Welfare, 2. University of Tsukuba)
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【目的】インクルーシブな体育授業では、教師がよかれと思った合理的な個別の配慮が、集団には馴染まず、かえって障がいのある学習者を「特別な存在」として目立たせ、排除につなげてしまうことがある。本研究はこの現象を「アダプテッドの逆説(the paradox of adaptation)」と呼び、学習の成果が比較・顕在化される短距離走の授業において、逆説への対応過程を8秒間走の実践をもとに質的に検討した。【方法】8秒間走は、個人の伸びを評価軸とし、自分の以前の記録と競争させることで体育の排除構造の解決に貢献している教材である(木原, 1994)。しかし、陸上運動は個人で運動が完結し、学習者間の交流は生まれにくい。本実践では、インクルージョンを意図し、鈴木ほか(2019)が用いた鈴を8秒間走に組み合わせた。その導入は、走動作の知覚的困難を聴覚的に補い、学習者間の相互作用を媒介する物質的装置とした。分析は、小学校における障がいのあるA児を含む本実践の児童間の談話を用いて、逆説理論(Smith & Lewis, 2011)を枠組みとして質的に解釈した。【結果】アダプテッドの逆説の論理では、個別の配慮が集団水準での排除を生む。しかし、本実践では排除の言葉は観察されなかった。代わりに、鈴の音が示す「走るリズム」を共通の基準として、クラスで最も運動能力の高いB児がA児に走り方を直接指導し、「ゴール前で諦めたらあかん」と他児と同じ努力を求める関係が成立していた。【考察】8秒間走は、逆説を乗り越え、インクルージョンの基盤となる教材としての価値が確認された。本研究で導入した鈴が生み出した「走るリズム」は、障がいへの同情でなく、同じ努力を求められる学習の当事者としての承認を引き出した。このことから、鈴を通じて共有された学習過程の認知が、承認を生み出すことで逆説を解決し、インクルージョンの契機となることが示唆された。

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