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[学校保健体育-A-05]多様性の包摂に資する体育授業の身体論的再検討(教)身体図式の再編成と行為可能性の拡張に着目して
*Kentaro KUBO1, Akihisa UMEZAWA2, Tomoya YAMAUCHI3 (1. Tamagawa University , 2. Yokohama National University , 3. Nihon Bunka University)
児童生徒のウェルビーイング及びエージェンシーの育成が希求されている(UNESCO, 2015;OECD, 2019)。それに伴い,多様な子どもたちの「深い学び」の保障,いわゆる「多様性の包摂(Equity)」の実現が課題となっている(中央教育審議会,2025)。体育学習についても,特定種目等の競技力や技能習熟を目的とするのではなく,試行錯誤を通して「動き」「運動の行い方」「運動との関わり方」等を学ぶものとして再構成されつつある(文部科学省,2026)。そこで本研究では,メルロ=ポンティの身体論を視座として,多様性の包摂に資する体育授業における学びを,自己と世界との関係を更新する過程として再検討する。メルロ=ポンティにおいて身体とは,客観的に測定される対象ではなく,身体図式を通して世界を知覚し,意味づけ,行為可能性を開く主体である(メルロ=ポンティ, 1945)。つまり「できる/できない」は単なる技能到達の有無ではなく,児童生徒にとっての対象・他者・環境に対する行為可能性の現れを示す。既有の身体図式では十分応答できない局面において,児童生徒は対象・他者・環境との不一致を経験する。しかし,この不一致を契機とした身体図式の再編成を通して,行為可能性は拡張されうる。このように考えると,試行錯誤を通した「動き」や「運動との関わり方」の学びとは,行為可能性の閉ざされが,身体図式の再編成によって新たな行為可能性の開かれへと転化する過程として捉えられる。この過程は,すべての学習者に開かれているとともに,Meaningful Physical Education(Beni et al., 2017)やPhysical Literacy(岡出, 2022)の議論とも接続しうる。よって教師には,すべての学習者の行為可能性の開かれを支える学習環境をデザインと,それを可能にする「見取り」の力量が一層求められる。
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