Presentation Information
[PS-09]A Small-Step Strategy for Rebooting Internationalization: Trial and Error at a Japanese National Institute of Technology
*Hiroshi Yamaguchi1, *Hironori Yokoi1 (1. Nagoya Institute of Technology)
Keywords:
Internationalization,Organizational culture,Organizational change,Institutionalization,Perceptions and sensemaking within organizations
受講者に求められる 事前の知識・経験等
なし
受講者が受講前に取り組む 事前課題等
なし
概要
本発表は、あらためて国際化に注力しようとする大学が、どのように小規模な実践を積み重ねながら国際化を組織的に位置付けていくのか、その過程と取組を、実践的観点から検討するものである。
近年、日本の大学においては、「未来を創造する若者の留学促進イニシアティブ<J-MIRAI>」などの政府の国際化戦略や、スーパーグローバル大学創成支援事業から展開した取組などにより、国際化の必要性は広く共有されていると考えられる。しかしながら、その進度や強度、重視する内容は、各大学のミッションや組織文化などによって大きく異なる。とりわけ、過去に国際化関連事業の実績や経験が少なく、組織的な国際展開の基盤を十分に有していない大学においては、何から着手し、どのように取組を進めていくのかが、大きな課題となる。
本発表では、こうした条件下にある地方中規模の国立工業系大学を事例に、国際化を再起動する過程での試行錯誤を整理する。当該大学では、留学生数の減少や国際性指標の低さの一方で、組織的な戦略や体制は十分に整備されておらず、国際化が本流の課題として位置づいていない側面があった。他方、こうした状況が、学内の教育研究の発展を阻害しかねないという認識も、データとともに明らかになってきた。
これを受け、当該大学では、外部の政策や国際的な動向も踏まえて問題点を可視化し、幹部層の関与や関係部署との協働等を通じて、段階的に取組を進めてきた。具体的には、学内国際化組織の立ち上げ、国際化先行大学や関連機関との連携、国際教育フェア等への参加、学内外の国際化予算への申請等、そして、国際戦略の策定である。これらを通じて、継続的な活動を積み重ねることで、国内外のネットワーク構築に加え、国際化に対する構成員の認識の変容も促してきた。これらの過程は、危機認識の共有から始まる段階的な組織変革のプロセスとして捉えることが可能である。
しかしながら、これらの取組は必ずしも一貫した成功を伴うものではなく、学内の摩擦や葛藤、外部事業への申請不採択も含まれる。他方で、こうした過程自体が次の展開に向けた基盤として機能してきた。このような蓄積は、国際化を一過性の取組ではなく、組織的な実践の中で定着させていく過程、すなわち制度化・組織化の一端として理解することができる。
以上を踏まえ、本発表では、当該大学の取組の展開を振り返りながら、①国際面での現状の再認識、②外部環境や政策動向を活用した方向付け、③段階的な実践を通じた組織化の試み、の三点を中心に整理する。国際化は多くの場合、目的ではなく手段であり、その位置づけも進め方も大学ごとに異なる。本発表では、一大学の実践例を提示することに加え、同様の課題を抱える大学、あるいは異なる経路で国際化を進めてきた大学とも知見や経験を共有しながら、より効果的な国際化のステップを考えるための一つの素材としたい。
なし
受講者が受講前に取り組む 事前課題等
なし
概要
本発表は、あらためて国際化に注力しようとする大学が、どのように小規模な実践を積み重ねながら国際化を組織的に位置付けていくのか、その過程と取組を、実践的観点から検討するものである。
近年、日本の大学においては、「未来を創造する若者の留学促進イニシアティブ<J-MIRAI>」などの政府の国際化戦略や、スーパーグローバル大学創成支援事業から展開した取組などにより、国際化の必要性は広く共有されていると考えられる。しかしながら、その進度や強度、重視する内容は、各大学のミッションや組織文化などによって大きく異なる。とりわけ、過去に国際化関連事業の実績や経験が少なく、組織的な国際展開の基盤を十分に有していない大学においては、何から着手し、どのように取組を進めていくのかが、大きな課題となる。
本発表では、こうした条件下にある地方中規模の国立工業系大学を事例に、国際化を再起動する過程での試行錯誤を整理する。当該大学では、留学生数の減少や国際性指標の低さの一方で、組織的な戦略や体制は十分に整備されておらず、国際化が本流の課題として位置づいていない側面があった。他方、こうした状況が、学内の教育研究の発展を阻害しかねないという認識も、データとともに明らかになってきた。
これを受け、当該大学では、外部の政策や国際的な動向も踏まえて問題点を可視化し、幹部層の関与や関係部署との協働等を通じて、段階的に取組を進めてきた。具体的には、学内国際化組織の立ち上げ、国際化先行大学や関連機関との連携、国際教育フェア等への参加、学内外の国際化予算への申請等、そして、国際戦略の策定である。これらを通じて、継続的な活動を積み重ねることで、国内外のネットワーク構築に加え、国際化に対する構成員の認識の変容も促してきた。これらの過程は、危機認識の共有から始まる段階的な組織変革のプロセスとして捉えることが可能である。
しかしながら、これらの取組は必ずしも一貫した成功を伴うものではなく、学内の摩擦や葛藤、外部事業への申請不採択も含まれる。他方で、こうした過程自体が次の展開に向けた基盤として機能してきた。このような蓄積は、国際化を一過性の取組ではなく、組織的な実践の中で定着させていく過程、すなわち制度化・組織化の一端として理解することができる。
以上を踏まえ、本発表では、当該大学の取組の展開を振り返りながら、①国際面での現状の再認識、②外部環境や政策動向を活用した方向付け、③段階的な実践を通じた組織化の試み、の三点を中心に整理する。国際化は多くの場合、目的ではなく手段であり、その位置づけも進め方も大学ごとに異なる。本発表では、一大学の実践例を提示することに加え、同様の課題を抱える大学、あるいは異なる経路で国際化を進めてきた大学とも知見や経験を共有しながら、より効果的な国際化のステップを考えるための一つの素材としたい。
