Presentation Information

[WS-2-01]Exploring Well-Being in International Student Residences: Supporting Mental Health Through Everyday Interactions

*Chiharu Yoshida1, *Koya Rikimaru2, *Mami Fukaya3 (1. Chuo University, 2. Ritsumeikan Asia Pacific University, 3. Nagoya University)

Keywords:

Student Wellbeing,Mental Health Care,International Student Residence,Resident Assistants,Everyday support


受講者に求められる 事前の知識・経験等
本ワークショップは、寮の担当教職員や関係者を主な対象としますが、寮の運営や教育的活用に関心のある方にも開かれた形で実施します。


受講者が受講前に取り組む 事前課題等
第1部で使用する担当寮の基本情報、RAや教職員研修の状況、寮とウェルビーイングに関する課題などについてアンケートを行い、事前に提出をしていただく予定です。


概要
現在、国際寮は学びや成長を促す教育的空間として注目されている一方で、現場では、学生のウェルビーイング向上に不可欠なメンタルヘルスの課題が顕在化しています。特に国際寮のように多様な背景を持つ学生が共同生活を送る環境では、人間関係の摩擦や孤立、価値観や生活習慣の違いに起因するストレスが日常的に生じやすく、学生のメンタルヘルスに影響を与えています。
 本ワークショップは、寮において継続的に課題として指摘されてきたメンタルヘルスをはじめとするウェルビーイングの向上に向けた取り組みが求められる中で、昨年度の国際教育夏季研究大会におけるワークショップで実施した参加者への事前アンケート結果を踏まえて実施するものです。アンケートでは、入寮者同士の相性や騒音・生活ルールをめぐるトラブル、ユニット内のコミュニケーション不足、交流の希薄化、意欲低下への対応など、個人のメンタルヘルスと密接に関わる課題が多く挙げられました。同時に、RA間の連携や役割の不明確さ、学生への関わり方の難しさ、支援体制の不十分さなど、支援を担う側の負担や不安も指摘されています。さらに、共有スペースの管理や寮の運営体制、学生構成の変化といった環境・制度的要因も、影響があることが示唆されました。 
 これらの結果から、寮におけるメンタルヘルスの課題は、単に個人の問題として捉えるのではなく、人と人との関係性、支援を担う側の在り方、さらには環境や制度といった複数の要因が相互に影響し合う中で生じているといえます。したがって、寮における学生のウェルビーイングを支えるためには、個別対応にとどまらず、複層的な視点からの理解と実践の共有が不可欠です。また、寮は関係性や支援のあり方によって、安心感や帰属意識を育み、メンタルヘルスの向上やウェルビーイングを支える場にもなり得ます。しかし現状では、生活の場としての複雑さや関係性の中で生じるメンタルヘルスの問題に対する理解や対応は、RA(レジデント・アシスタント)研修や教職員研修の中で十分に扱われているとは言い難く、個々の経験や力量に委ねられる傾向にあります。
 本ワークショップでは、寮担当者同士の情報共有と意見交換を通じて現場の課題を可視化するとともに、具体的な事例をもとに対応や関わり方について検討します。また、支援のあり方や実践の可能性について対話を深める場とします。当日は、第1部で担当寮の紹介や課題・実践の共有をグループで行い、第2部では国際寮を中心とした寮のメンタルヘルスケアを含むウェルビーイングに関する理論や実践について学び合います。
 本ワークショップを通じて、メンタルヘルスケアの視点から寮における学生のウェルビーイングを支えるための共通理解を形成するとともに、各寮の実践に還元可能な知見を共有し、寮全体の環境づくりにつなげていきます。
※本ワークショップは科研費JP26K16774の助成を受けて実施します。