講演情報

[1B08]原子力発電所運用におけるレジリエンス・ポテンシャルの強化(4) 予見するポテンシャルの強化

*北村 正晴1、高橋 信3、作田 博2 (1. テムス研究所、2. INSS、3. 東北大学)

キーワード:

Safety-Ⅱ、レジリエンスエンジニアリング、予見するポテンシャル、弱い信号、認知バイアス

原子力発電所のレジリエンスと安全性向上に重要な役割を果たす、予見するポテンシャル強化のための方策について検討を行った。予見するポテンシャルは、多くの組織において効果的な方策が見出されていない困難な課題である。本シリーズ、昨年秋の報告(2)および本年秋の大会の報告(3) では、「弱い信号」概念に着目して他産業分野で経験された事故事例から学習する方式を提案しているが、本報告では、その方式を予見に活用する可能性についても考察を進めた。他産業における経験を汎化した上で原子力発電所に適用する方策は、予見活動の実効性を高めるために必要な視点の多様性確保に相当すること、併せて認知バイアスの回避にも有効であることを見出している。この経験の汎化と学習対象事象の拡大という学習方式が予見にも活用できるという着眼は、組織における困難課題とされる予見ポテンシャルの強化と、結果としてのレジリエンス・ポテンシャルの充実のための有用な示唆と考える。

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