講演情報
[2B11]ODS FeCrAl合金が形成するα-Al2O3被膜の密着強度に及ぼす温度サイクルの影響
*北村 嘉規1、近藤 正聡1 (1. 東工大)
キーワード:
ODS FeCrAl合金、保護性α-Al2O3被膜、被膜密着性、温度サイクル、アンカー効果
核融合炉液体ブランケットシステムでは、流路内壁に保護性α-Al2O3被膜を形成する。構造材候補の酸化物分散強化(ODS)型 FeCrAl合金とα-Al2O3被膜の熱膨張率は異なるため、運転時と停止時の温度変化によって被膜基材界面に熱応力によるひずみが発生し被膜密着性の劣化が懸念されている。本研究の目的は、ODS FeCrAl合金が形成するα-Al2O3被膜の密着強度に及ぼす温度サイクルの影響を明らかにすることである。ODS FeCrAl合金を1273 Kで予備酸化処理し、保護性α-Al2O3被膜を形成した後、真空雰囲気で323~1173 Kの温度サイクルを5, 50回実施した。温度サイクル試験後の被膜剥離はなく、STEM/EDX分析より被膜内のクラックの発生も確認できなかった。マイクロスクラッチ試験によりせん断方向の被膜密着性を評価し、被膜基材界面の凹凸形状の粗さとの関係も明らかにした。
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