講演情報

[2O13]ζ因子法を用いたSTEM-EDSマッピングによる316ステンレス鋼の照射誘起偏析の定量性

*宮原 勇一1、小塚 雅也1、小林 知裕1 (1. 電中研)

キーワード:

316ステンレス鋼、照射誘起偏析、ζ因子法、走査透過電子顕微鏡エネルギー分散型X線分光法

FIBリフトアウト法で作製した316ステンレス鋼の照射材の結晶粒界をSTEM-EDSマッピングで測定し、ζ因子法を用いて照射誘起偏析の定量分析を行った。組成分析値に影響を及ぼすζ因子の校正には、対象試料を傾斜角0°で測定したデータと鋼材の化学組成を用いた校正方法が有用であった。STEM-EDS測定時の結晶粒界の傾斜の影響として、粒界上で観測される偏析濃度の高さの低下と濃度プロファイル幅の拡大を定量的に把握した。STEM-EDS 分析の測定ビーム径が大きい空間分解能が低い条件で測定および解析を実施すると、粒界上で観測される偏析濃度も低下するが、観測される粒界上の偏析濃度と空間分解能の間には直線関係があり、空間分解能に応じた偏析濃度の評価が可能であることがわかった。

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