セッション詳細

シンポジウム42「アミロイド関連画像異常ARIAと脳アミロイド血管症」

2025年11月23日(日) 9:30 〜 11:30
第8会場(ホテル日航新潟 4F 朱鷺B)
座長:新堂 晃大(三重大学 脳神経内科),藥師寺 祐介(関西医科大学 神経内科学講座)
本邦における認知症の原因として、アルツハイマー病(AD)が最も多くを占め、その病理学的背景にはアミロイドβタンパク(Aβ)による老人斑と微小管結合タンパク質(タウ)の沈着による神経原線維変化が挙げられる。AD患者の剖検脳において、脳アミロイド血管症CAAは約8割以上に認められる。近年、抗Aβ抗体療法が臨床現場へ登場した認知症診療は大きく変化している一方、アミロイド関連画像異常ARIAという新たな副作用が認められるようになった。ARIAの画像は浮腫、滲出液貯留を示すARIA-Eと出血性変化のARIA-Hに分けられ、ARIA-EはCAA関連炎症と、ARIA-HはCAAに伴う微小出血や脳表ヘモジデリン沈着といった出血性病変と同様の所見を呈する。ARIAのリスク因子として、APOEε4、ベースラインでの微小出血数などがあげられ、また背景に存在するCAAの関与が報告されている。ARIA発現の機序としてドレナージ機構の障害に伴うCAAの増悪や炎症、CAAからのAβ除去に伴う血管透過性の亢進が機序として考えられている。本シンポジウムでは、ARIAとCAAの関連について、画像、ドレナージ機構との関連、モデル動物の作成を中心に考え、さらに近年CAAの新たな原因として注目されている医原性脳アミロイド血管に関しても検討する機会としたい。

[SY42-1]アミロイド関連画像異常ARIAとアミロイド血管症、MRI所見の要諦と病態把握

德丸 阿耶 (東京都健康長寿医療センター 放射線診断科)

[SY42-2]ARIA病態におけるCAA関与機序解明と治療標的探索

眞木 崇州 (京都大学 医学部 脳神経内科)

[SY42-3]新規CAAモデルマウスを使ったARIAモデルの作出

北爪 しのぶ1, 古林 拓留1, 井上 拓朗1, 飯島 順子1, 高橋 一人1, 鈴木 英明1, 石川 英洋2, 新堂 晃大2 (1.福島県立医科大学・保健科学部・臨床検査学科, 2.国立大学法人三重大学 医学系研究科 神経病態内科学)

[SY42-4]脳アミロイド血管症に関する画像-病理比較、バイオマーカー探索とマウスモデルの研究

石川 英洋1, 伊井 裕一郎1,2, 水谷 あかね1, 宇都宮 貴哉1, 堀江 将太朗1, 西垣 明哲1, 丹羽 篤1,3, 平田 佳寛1, 北爪 しのぶ4, 新堂 晃大1 (1.三重大学大学院医学系研究科 神経病態内科学, 2.三重大学 神経画像病態学, 3.国立病院機構 三重病院 脳神経内科, 4.福島県立医科大学 保健科学部 臨床検査学科)

[SY42-5]医原性脳アミロイド血管症の画像とその診断

藥師寺 祐介 (関西医科大学)