特別講演

エンジニアとしての考え方と共育の考え方を重ね合わせ,
学主体で多様な企業を巻き込み新しいワクワクする場を創る.

講師:羽山 信宏 氏(元マツダ株式会社)

羽山信宏様(元マツダ株式会社)

日本の製造業は1970年代の基準化,標準化の浸透により,高精度,高品質な製品を,均質かつ効率的に作ることが可能になり世界をリードしてきた.21世紀の今,ものづくりは多くの壁に直面し,閉塞状況の中で,新しい価値の創造が求められている.しかし,従来の成功体験からの常識で対応できると考えている人が多いように思われる.スカイエンジン開発では,一人ひとりのエンジニアが,主体的に,多くの分野のエンジニアと協働し,設計目標を実現する技術サクセスシナリオを作成した.それは,「エンジニアの魂」を呼び起こして,「目的・向上心・好奇心」を生み出し,共育(ともいく)の考え方をベースとして,多様性を活かすことのできる集団づくりができたからと考える.エンジニア一人一人が価値を創造できる場,関わる全ての人がワクワクし,成長できる場(ワクワク基盤)を創ることの大切さをお話しする.

自励振動・係数励振の非線形分岐特性と計測・制御への応用

講師:藪野 浩司 氏(筑波大学)

藪野浩司先生(筑波大学)

力学系理論の進歩によって様々な自然現象の非線形的特徴が数理解析的に明らかにされつつある.本発表では初歩の力学系理論を復習しながら,工学システム(特にいくつかの機械システム)に発生する自励振動・係数励振の非線形分岐特性を明らかにする.また,このような数理解析的なアプローチ法が実際の現象のどのような側面をとらえているかを理解する.さらに,計測(非接触原子間力顕微鏡(AFM)や超高感度微小質量計測)や制御(劣駆動マニピュレータの運動制御)の高機能・高性能化を可能にする,非線形現象の積極利用について紹介する.