教育講演

「リハビリ・口腔・栄養の連携の中で作業療法士に求めるもの」
講師

 井上 誠先生

新潟大学


  

所属・役職
新潟大学歯学部長
新潟大学大学院医歯学総合研究科摂食嚥下リハビリテーション学分野 教授
 
所属学会等
日本摂食嚥下リハビリテーション学会 副理事長
日本顎口腔機能学会 常任理事
日本口腔リハビリテーション学会 理事 他

 
研究テーマ
咀嚼・嚥下の神経生理学
介護食開発に関わる食品工学
口腔機能低下症 他
 
競争的資金(代表のみ)
1)日本学術振興会科学研究費補助金研究,国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(B)),課題番号22KK0139
2)日本学術振興会科学研究費補助金研究,挑戦的研究(萌芽),課題番号22K19616
3)東洋食品研究所研究助成
主な研究論文(2024年)

1)Impact of salivary flow inhibition on masticatory behaviors in healthy individuals. J Oral Rehabil. 2024 Jun 5. doi: 10.1111/joor.13764. Online ahead of print.

2)Effect of bolus property on swallowing dynamics in patients with dysphagia. J Oral Rehabil. 2024 Aug;51(8):1422-1432. doi: 10.1111/joor.13709. Epub 2024 Apr 29.

3)A case of dysphagia rehabilitation in the chronic stage of lateral medullary syndrome. Dysphagia. 2024 Jun;39(3):534-539. doi: 10.1007/s00455-024-10690-6.


要旨

 超高齢社会の日本において,ことに要介護高齢者の摂食嚥下障害の問題については広く知られることとなりました.摂食嚥下機能は,高次脳機能,口腔や咽喉頭などの末梢機能,咀嚼や呼吸などの周辺機能,その他の身体機能を含む身体の中でも最も複雑な機能のひとつであること,摂食嚥下障害は肺炎や低栄養などのリスクを伴い,疾患によってはこれらのリスク管理を患者さんの一生涯にわたってフォローをしていかないといけないことを考えると,摂食嚥下障害に対する臨床は多職種が集い,それぞれの知を共有しながらアプローチしなければいけないことは言うまでもありません.近年,在宅,急性期,回復期における口腔と栄養,リハビリテーションを三位一体として考える多職種連携が進められています.私の専門は「口」であり,摂食機能の管理や摂食嚥下障害の治療ですが,全身の健康管理においては,栄養や身体機能管理としてのリハビリテーションとの連動が重要であることもまた身に染みて感じてきました.本講演では,三位一体の取り組みを推進する中で作業療法士に期待することを含めたお話しをしたいと思います.
 

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