日本健康相談活動学会第21回学術集会

学会長挨拶

第21回学術集会開催にあたって

学校のメンタルヘルス対応力向上を目指して

第21回 日本健康相談活動学会学術集会
学会長 佐々木 司(東京大学大学院 教授) 
 

 

一般社団法人日本健康相談活動学会第21回学術集会へようこそ。


 本学会は、平成9年保健体育審議会答申により養護教諭の職務と位置付けられた「健康相談活動」を主題とする学会であり、学校での養護教諭の実践をもとに、新たな学問領域「健康相談活動学」の構築に取り組んでまいりました。その成果は、学会発刊の「健康相談活動学ー実践から理論、そして学問へー」にまとめられ、学会も20周年の節目を迎えました。


 第21回学術集会では、「学校のメンタルヘルス対応力向上を目指して」をテーマに、健康相談活動学の一層の発展を目指し、新たなスタートを切りたいと思います。児童・生徒のメンタルヘルスの問題は現代的健康課題とされていますが、ここ数年の10代の自殺数増加から考えても、喫緊の課題と言えるでしょう。さらに、ゲーム障害などの新たなメンタルヘルスの問題、教育現場における多様性・包摂性に関わる課題、災害対策を含めた安全の課題など、児童・生徒のメンタルヘルスの問題はますます多様化・複雑化しています。この課題に対する具体的で実効性のある取り組みが「健康相談活動」です。養護教諭がその専門性と保健室の機能を活かし、児童・生徒の個別支援だけでなく、関係者を巻き込み児童・生徒を支えるチームをコーディネートする、まさにそのような取り組みが今求められています。


 本学術集会では、児童・生徒のメンタルヘルスの問題に焦点をあて、養護学、教育学、医学、心理学等の専門家が集まり、協議し、発信することで、学校のメンタルヘルス対応力向上を目指します。この協議は学校で教育・養護実践に関わる皆さんの参加なくして始まりません。また、学術集会での学びを持ち帰り、普段の学校での教育活動・養護実践に活かしていただくことは、本学術集会に期待される主要な成果と考えています。このため、本学術集会では、メインテーマに沿った教育講演、シンポジウム、教育セミナーを用意しました。これらのプログラムを中心にオンデマンド配信も準備しておりますので、当日会場まで足を運ぶことが難しい…という先生もぜひご参加いただけますと幸いです。多くの皆様のご参加をお待ちしております。

2024年11月1日