分科会
G1 学生相談の基礎と実践Ⅰ—①(研修領域A)
本分科会は、学生相談や学生支援に携わり始めた教職員・カウンセラーの皆様とともに、学生相談の基礎と実践を学ぶ分科会です。ミニレクチャーのほか、ディスカッションや簡単なワークを通して、学生相談・学生支援の基本的な考え方から、学生を理解する視点、個別の相談対応、話の聞き方、窓口・授業での関わり、学生支援における教職員の役割、連携・協働など、私たちが現場で直面する具体的なテーマまで理解を深めていきます。皆さんの関心や疑問、悩みに沿った内容を取り入れながら進めていく予定ですので、お互いに情報交換し、知恵を出し合いながら、温かい気持ちで楽しく学べる2日間にできればと思っています。
講師紹介:
奥野 光(おくの ひかる)
学生数約3000人の私立大学で、学生との相談、教職員やご家族との連携・協働、居場所の運営やグループ活動などに携わっています。また、大学全体で学生の学びや成長を支えていくことに関心を寄せています。お互いに労いながら2日間学んでいきたいと思っています。
桶谷 雅人(おけたに まさと)
東京科学大学保健管理センターカウンセラー(特任助教)。理工学系の大学院生を中心に、学生・教職員の相談を受けています。学生相談歴7年目に入りましたが、日々新しい発見や学びが多い現場だと感じます。みなさんと語らいながら、学生相談の楽しさや奥深さを味わう時間にできればと思っています。
G2 学生相談の基礎と実践Ⅰ—②(研修領域A)
本分科会は、学生支援に携わる大学教職員や、学生相談に関わり始めて間もないカウンセラーを対象としています。近年は、生成AIの利用拡大などにより、学生の学びや相談のあり方も少しずつ変化しています。分科会では、学生相談や学生支援に関する基礎的な知識と体験的理解を深めることを目指して、講師による小講義や、参加者同士で疑問や実践を共有するワークを行います。皆さんへの事前アンケートの内容も踏まえながら、個別対応や連携・協働について一緒に学び、安心して交流できる場にしたいと考えています。日頃の悩みや工夫を持ち寄って、実践につながるヒントを得る機会にしていきましょう。
講師紹介:
太田 裕一(おおた ゆういち)
工・情報学部キャンパスで、新入生ガイダンスで相談の練習としてメールをカウンセラーに送らせて全員に返信/Xで学生向けに質問箱サービス(@gakuseisodan)/講義「こころの深層(アニメ解釈)」「ロックとアートからみるメンタルヘルス」を開講しています。
長谷川 伸江(はせがわ のぶえ)
関東学院大学カウンセリングセンター専任カウンセラー。私立大学で学生相談を担当するようになって17年です。数年前から都市型のキャンパスを担当しており、学生同士の繋がり方や居場所、大学生活の余白について考える日々です。みなさまといろいろな経験を共有できる場になればと思っています。
G3 学生相談の基礎と実践Ⅱ(研修領域A)
多様な学生の支援に関わることは、専門職に限られたことではなくなりました。学生支援に関わる教職員として、なにを備え、どう学生と向き合っていったらよいか、「学生助育」の理念と「学生支援の実践に求められる5つの力」を軸に、教育の一環としての学生支援について学びます。また、参加者間の意見交換やワークを通して、それぞれの職場や仕事についての整理をし、今後の支援につながるヒントを見つけられる時間にしたいです。学生支援に関わる教職員の出会いの場となることを願っています。
※この分科会は学生支援士資格認定規程に定められている指定研修に該当します。今年度学生支援士の一次申請をお考えの方は、必ず受講してください。
講師紹介:
今江 秀和(いまえ ひでかず)
広島市立大学心と身体の相談センター副センター長・准教授。大学カウンセラー、臨床心理士、公認心理師。学生相談歴は、非常勤を含めれば24年、専任になって14年目です。いつもと違う場所でリフレッシュするとともに、職場で役に立つ何かを得られる場にできればいいなと思っています。
小松 孝徳(こまつ たかのり)
明治大学総合数理学部にて、認知科学を専門とする教員として勤務しております。今回は講師を担当させていただきますが、学生相談に携わってからはまだ13年ほどの若輩者です。この分科会が有意義な学びの機会となるよう,参加者の皆さんと共に盛り上がっていければと思っております!
奥村 賢史(おくむら たかし)
名古屋芸術大学の広報部にて、この部署だからこそできる学生支援とは何か考えながら仕事をしています。学生生活担当だった頃に「自己流」の学生支援に疑問を持ち、出会ったのが学生支援士という資格でした。大学に関わる皆さんの様々な目線で情報や考え方の共有ができればと考えております。
G4 学生支援におけるパーソンセンタード・アプローチ(研修領域B)
クライエント中心療法の創始者ロジャーズは、その後、自らの理論と実践を「パーソンセンタード・アプローチ(PCA)」として発展させました。PCAは治療法ではなく、人の成長に関わるアプローチであり、学生支援に多くの気づきと示唆をもたらします。前半は、PCAの基本概念や、傾聴を含む対話的な関わりのポイントについて概説し、後半は、エンカウンター・グループの発想をもとに、学生相談に活かせるグループ実践やファシリテーションの視点を紹介します。
三条件の基本的態度にとどまらないロジャーズ理論のエッセンスを、日々の学生支援を考えるヒントにして頂ければ幸いです。実践事例(個別面接やグループ実践)の提供も歓迎します。
講師紹介:
本山 智敬(もとやま とものり)
福岡大学人文学部教授。臨床心理士、公認心理師。学生の頃にPCAに出会い、それ以来、個人カウンセリングをはじめ、中学・高等学校でのエンカウンター実践や里親支援のネットワークづくりなどに取り組んでいます。主な著書『パーソンセンタード・アプローチとオープンダイアローグ』(遠見書房, 2023)
小田 真二(おだ しんじ)
九州大学キャンパスライフ・健康支援センター(学生相談室)准教授。臨床心理士。大学カウンセラー。PCAは日々の学生相談の土台ですが、日々の現場で点検する余裕は持ちづらいもの。普段の臨床から離れて余白を作ることで、参加の皆様とじっくりと吟味できればと思います。
G5 留学生支援 -異文化を楽しむコツ-(研修領域A)
講師紹介:
黄 正国(こう せいこく)
九州大学で留学生相談を担当。2003年に私費外国人留学生として来日し臨床心理学を学びました。2015年以降は学生相談を中心に実践を重ねてきました。この分科会では、自身の留学経験も踏まえながら、留学生支援について皆さんと一緒に考えられたらと思っています。
小島 奈々惠(こじま ななえ)
東北大学で主に留学生相談を担当。幼児期から青年期を海外で過ごし、日本帰国後、臨床心理学を学びました。2005年度から留学生支援での実践を重ねてきました。この分科会では、自身の海外経験も踏まえながら、留学生支援について皆さんと一緒に考えたいと思います。
高松 里(たかまつ さとし)
1989年から九州大学で留学生担当カウンセラーとして働き、定年後の現在も週2回同じ仕事をしています。多分、日本で一番キャリアの長い留学生カウンセラーなってしまいました。異文化に翻弄されつつ楽しくやってきました。その醍醐味をお伝えしたい!
G6 大学生の触法行為(研修領域D)
大学における学生の触法行為への対応・支援をテーマに、触法行為の「意味」を捉える枠組みを提示し、行為の背景を欲求ではなく「痛みへの防衛」として捉える視点を紹介します。それにもとづいて、リスクアセスメントの重要性、再発防止と回復を支える関わり、支援上生じる困難や留意点、および組織としての対応について解説します。
本分科会では事例提供者を募集します。事例を通して、危機場面に直面する教職員・支援者が、第三者も含めた体制で行動によらない解決や加害学生の成長促進を目指す支援のあり方について皆さんと学びを深めたいと思います。個別カウンセリングに限らずいろいろな事例提供をお待ちしています。
講師紹介:
工藤 晋平(くどう しんぺい)
名古屋大学アビリティ支援センター長・教授。精神科での心理療法の他、刑務所での非常勤カウンセラーを経験し、出所後の元受刑者の社会復帰を支援するNPO法人の設立・運営に関わった経験から、人と社会の関係の間に生じる問題に関心を寄せるようになり、現在、障害のある学生の修学支援に携わっています。
鈴木 健一(すずき けんいち)
名古屋大学学生相談センター長・教授。2004年から金沢大学、2011年から名古屋大学にて学生相談に携わっています。専門は対人関係精神分析ですが、現場ではセンター長として学生の成長のためならば何でも取り組むことをモットーに、散歩や恋愛講座等も積極的に取り入れています。
江上 奈美子(えがみ なみこ)
東京農工大学保健管理センターで専任カウンセラーをしています。大学生の事件に関わる機会は、私自身はそう多くありませんが、知識を持っておくことや対応についてイメージしておくことは大切だと感じてます。皆さまと一緒に学びを深め、今後の実践のヒントになるような二日間になると嬉しいです。
G7 学生支援におけるマインドフルネス(研修領域B)
近年、大学現場では不安、抑うつ、発達特性、スマホ依存、対人関係の困難など、多様な課題を抱える学生支援が求められています。本分科会では、学生相談・学生支援に活かせるマインドフルネスの基本的な考え方を紹介し、実際に体験していただきます。単なるリラクゼーションとしてではなく、「自動操縦」になりやすい思考や感情、行動パターンに気づき、回復的な選択肢を増やす支援として位置づけます。大学生への実践例や、依存・不安への応用、支援者自身のバーンアウト予防にも触れながら、学生支援現場で無理なく活用できる方法を体験的に学びます。具体的な事例を2ケース募集します。
講師紹介:
小林 亜希子(こばやし あきこ)
公認心理師・臨床心理士。MSC・MBRP・MBSR講師。横浜市立大学、関東学院大学、上智大学等で学生相談に従事。現在はNPO法人代表。趣味は登山、キャンプ、温泉。
木内 理恵(きうち りえ)
法政大学多摩学生相談室主任心理カウンセラー。公認心理師・臨床心理士・SEP。学生相談17年目ですが、「どう関わるか」はいまも試行錯誤の連続です。安心・安全な雰囲気の中でまず自分自身の感覚を丁寧に味わい、それをゆっくりと他者へと向けていく時間を、皆さんと共につくれればと思っています。
G8 教職員のためのストレスマネジメント(研修領域B)
ストレスと上手に付き合うためにストレスの仕組みを3つのキーワード(ストレッサー・ストレス反応・ストレス対処法)で理解し、予防的なストレス対処法を体験的に紹介します。ワークショップ「こころとからだのつながり」ではセルフ・ケア技法を体験・習得し、教職員が自分で自分を労う習慣を身につけることを目指します。健康の保持増進のために「質の良い眠りのためのリラックス法」も体験・習得します。そのうえで、学生相談室で実践できそうなストレスマネジメント技法を日々の仕事にも活かしていただければ幸いです。
講師紹介:
坂上 頼子(さかがみ よりこ)
教育と福祉の臨床「オフィスかけはし」主宰。フリーランスの臨床心理士として幼稚園、小学校、中学校、高校、大学へ「ストレスマネジメント教育」の出前授業を、保護者や対人援助職へ「ストレスマネジメント講座・ワークショップ」を担当。放送大学「学校臨床心理学特論」分担講師。
小林 弥生(こばやし やよい)
関東学院大学カウンセリングセンター専任カウンセラー(臨床心理士・公認心理師)。学生対応等で教職員と連携する中、多忙な毎日に疲弊し、ストレスを溜め込んでいる教職員が多いことを日々痛感しています。参加者の皆様とご一緒に、こころとからだの声に耳を傾け、丁寧に向き合う分科会にしたいです。
G9 高専におけるいじめ・ハラスメント対応(研修領域D)
学生数が1500人に満たない小規模な高等教育機関である高専では、いじめ・ハラスメントの問題が複雑化しやすく、近年、喫緊の課題となっています。
教員は原則として異動がなく、学生は本科で5年(商船学科は5年半)、専攻科へ進学すれば7年(7年半)在籍するという環境下で、組織として難しい対応を迫られることも少なくありません。こうした高専の特徴やそれぞれの学校の文化・風土を踏まえたアプローチについて参加者の皆さんと一緒に考えたいと思います。
本分科会では、いじめ・ハラスメントの対応について小講義やグループワークを通して、相互の体験から学びます。事例提供もお待ちしています。
講師紹介:
濵中 ミオ(はまなか みお)
仙台高等専門学校学生相談室カウンセラー。高専の学生相談に携わるようになり20年。東日本大震災を経て、ひたすらに予防教育活動に取り組んできました。令和元年実践研究奨励賞をいただいたことをきっかけに、実践研究に力を入れるようになりました。分科会でお会いできることを楽しみにしています。
野原 一徳(のはら かずのり)
これまで複数の大学で学生相談に携わってきました。現在は高専からの編入生を多く迎える大学に所属しており、高専卒業後の学生たちと出会っています。分科会では高等教育機関としての共通性や、高専ならではの特色や持ち味を考えてみたいです。また知見や体験を分かち合いたいとも思っています。
G10 カウンセラーのための事例検討(研修領域C)
この分科会ではカウンセラーのための事例検討を行います。参加者の方から事前に事例を募り、それらについて全員でじっくり検討しましょう。事例の検討については、小グループでの話し合いやそれらの全体での共有等を通して、すべての参加者がコミットできるものにしたいと考えています。そして、検討対象の事例だけでなく、参加者ご自身がこれまで担当した事例や今後経験するかもしれない事例にも思いを馳せられるものにしたいと思っています。同時に、お互いの日頃の経験や思いを分かち合い、分科会終了後、皆さんの足取りが少し軽くなることを目指します。参加者全員で楽しい場と時間を作りましょう。どうぞお気軽にご参加ください。
講師紹介:
池田 忠義(いけだ ただよし)
東北大学学生相談・特別支援センター長(大学カウンセラー、臨床心理士)。学生相談に日々取り組みつつ、障害のある学生への支援にも関わっています。本研修会を通して参加者の皆様同士で意見や知恵を共有し、新たな気づきや出会いが生まれることを楽しみにしています。
馬渕 麻由子(まぶち まゆこ)
東京農工大学健康・相談総合支援機構カウンセラー。病院臨床を経て、学生相談歴は14年目。障害学生支援、ハラスメント相談など様々な支援や調整に携わっていますが、力動的視点や発達論を用いた心理アセスメントや心理面接も大切にしています。事例からともに学ぶ二日間にできたらと思います。
G11 個人と組織を見据えた学生支援(研修領域B)
学生ひとりひとりの健康でいきいきとした学生生活を支えるには、学生個人の支援のみならず、学生を取り巻く教職員や家族、学生が所属するゼミや部局といった集団・組織などを支援の対象とする必要があります。本分科会では、主に教職員を対象とし、事例検討と体験的学習を通じて、個人と組織を見据えた多層的な学生支援実践について学びます。過去の教職員相談事例を踏まえつつ、効果的な面接法や信頼関係の構築について学ぶとともに、グループディスカッションや描画法などを取り入れ、個人と集団・組織の相互作用を理解し、現場で活かせる支援力と連携力の向上を図ります。相談事例を募集しますので、それも含めて積極的な参加をお願いします。
講師紹介:
松本 寿弥(まつもと ひさや)
名古屋大学学生支援本部学生相談センター教育連携室長。臨床心理士、公認心理師。個人も組織も大切にする実践を心がけています。大学には様々な立場の方がいて意見がまとまりづらいこともありますが、学生の支援や健全育成は誰もが賛同できる旗印だと感じています。
松川 春樹(まつかわ はるき)
G12 みんなで考える研究への道 -実践を論文にしたいあなたへ-(研修領域F)
日々の学生支援・学生相談の実践において、興味深い現象に出会った方は多いことでしょう。折角だし学会誌に発表しよう……と投稿したものの、返ってきた査読コメントに「もう論文なんて書かない」と思う人もまた、少なくないかと思います。本分科会は、「興味深い現場体験」をお持ちの人にご発表いただき、研究のハードルを乗り越えられるためにみんなで知恵を絞ろう、がコンセプトです。実践体験はそれだけで豊かな内容をもつのですが、研究としてまとめるには「コツ」がいります。そのコツを講師からお伝えし、発表と論文のあいだのステップを作るのが本分科会です。「もう論文なんて書かない」なんて、いわないようになりたいですね。
講師紹介:
山川 裕樹(やまかわ ひろき)
成安造形大学教授。臨床心理士、大学カウンセラー。学生相談学会や他学会などで編集委員の仕事をしておりました。そのなかで考えたことを『事例研究論文のつくりかた』(遠見書房)という本に昨年まとめたのでよければご参照ください。当日は、本の内容も踏まえて最近考えていることをお伝えします。
小橋 亮介(こばし りょうすけ)
岡山大学学生相談室講師。臨床心理士、公認心理師。学生相談学会では研究委員、別学会では編集委員の仕事をしております。「論文を書きたくない」気持ちにたまに負けながら、細々と研究を続けています。当日は実践を論文にする際の困難とコツについて、みなさまと一緒に考えられたらと思っております。
※分科会G4・G6・G7・G9・G10・G11・G12では事例を扱いますので、ご参加にあたっては以下の注意事項を確認し、同意の上でお申し込みください。
・事例の詳細についての守秘に留意してください。
・事例の詳細が記載された資料など、「回収」とされる資料があれば必ずお返しください。
・事例の発表をお考えの方は、倫理的配慮についてあらかじめ講師とご相談ください。
