フィールド研修(エクスカーション)のお知らせ
国際開発学会第26回春季大会では、大会翌日の6月22日(日曜)に、北海道内の2つの地域にて、フィールド研修(エクスカーション)を実施します。
- 趣旨
本学会の専門性と方向性に基づき、札幌にて春季大会が開催され、北海道開拓の歴史を現場で学ぶことは、たいへん意義があることだと考えます。今日、開発を考える上で、先住民の権利回復や環境問題、資源管理などは避けられない重要なテーマとなっており、会員の皆様には、この機会に北海道の歴史や文化、自然環境の特徴について、ケーススタディとしての知識を得て、それぞれ、自らの研究分野や対象とする国や地域と比較したり、応用したりして、さらに開発の問題と現場に向き合っていただきたいと考えております。
オプション1.「北海道先住民アイヌの聖地から開発を考える:平取町二風谷1日コース」
今日、人権の保障や環境問題に対する揺り戻しが起こっている中、日本の近代化および開発政策と葛藤してこられた先住民としての立場からの証言や問題提起は本当に貴重です。1日コースでは、まず、アイヌ文化博物館と沙流川歴史館の各資料や展示を見ていただき、平取のアイヌ民族の方々の歴史や活動を知ります。次に、萱野茂二風谷アイヌ資料館を訪れ、同館設立の説明と萱野氏による民族の尊厳回復やダム訴訟での活動などをご子息から伺います。訴訟の現場となったダムも見学いたします。その間、アイヌの工芸品やお食事もお楽しみいただく予定です。
2025年6月22日(日)7:30~16:30
行程
- 7:30 札幌駅北口団体バス乗り場 集合・出発
- 9:30 平取町二風谷コタン 到着
- アイヌ文化博物館・沙流川歴史館訪問、館内見学
- 10:55 チセ(アイヌの家)解説、工芸館紹介、コタン内散策(自由行動)
- 昼食(会場シネチセにてお弁当配布)
- 11:30 シネチセ出発、移動(バス)
- 11:35 萱野茂二風谷アイヌ資料館訪問、萱野志朗館長よりご講演、館内見学
- 12:50 資料館出発、移動(バス)
- 13:00 二風谷ダム訪問、見学
- 14:00 平取町出発
- 15:00 新千歳空港着(途中下車)
- 16:00 札幌駅 到着・解散
オプション2.「北海道の自然・文化と開発の歴史を辿る:札幌市内半日コース」
半日コースでは、北海道博物館の展示物と資料を観覧いたします。同博物館は、1971年開館の北海道開拓記念館と1994年開所の道立アイヌ民族文化研究センターを統合し、2015年4月に開設された、新しい博物館です。故に、最新鋭で視覚的に美しい展示を堪能できます。数に限りありますが、音声ガイドもお使いいただき、北海道の歴史と文化、自然環境ついての展示と資料をご堪能下さい。また、学芸員の方よる御講演もありますので、お楽しみになさって下さい。
尚、終了後、博物館に隣接する「北海道開拓の村」を訪問したい方は現地解散も可能です。但し、帰りの移動手段は公共交通機関を利用するなど各自でお願いします。
2025年6月22日(日)8:30~13:00
行程
- 8:30 JR札幌駅 北口団体バス乗り場 集合・出発
- 9:30 北海道博物館 到着
- 学芸員による講義・解説
- タイトル:北海道「開拓」とアイヌの近代
- 講師:北海道博物館アイヌ民族文化研究センター学芸主査 大坂拓
- 各自館内を自由見学
- 学芸員による講義・解説
- 12:00 博物館を出発(終了・現地解散可)
※ご希望の方は、隣接の「北海道開拓の村」へ各自でご訪問いただけます。帰路は公共交通機関などをご利用ください。 - 13:00 札幌駅 到着・解散(予定)
札幌駅地図:エクスカーション集合場所