講演情報
[TWS-009]伝記資料を用いて人格発達にアプローチする「伝記分析」生涯発達の観点からアイデンティティをとらえる
講師:三好 昭子1、大野 久2、茂垣 まどか3、赤木 真弓4
企画者:三好 昭子1、大野 久2
(1. 日本女子体育大学、2. 立教大学・名誉教授、3. 帝京大学短期大学、4. 駒澤大学)
企画者:三好 昭子1、大野 久2
(1. 日本女子体育大学、2. 立教大学・名誉教授、3. 帝京大学短期大学、4. 駒澤大学)
伝記分析の研究対象としてはすでに亡くなっていること,伝記資料がある程度豊富であることという条件を満たしていれば誰を選んでも差し支えない。分析の枠組みとしては,ある1人の人物を分析対象とする「個別分析」からはじまり,何らかの類似性・共通性と異質性・対照性をもつ人物の比較を行う「比較分析」,複数の人物に共通する生涯発達心理学的な主題(テーマ)について分析する「主題分析」へと分析を発展させていくことができる。通常であれば「個別分析」からスタートし,それぞれが自分の好きな人物,興味のある人物を選び,資料を集め,心理学的年譜を作成するところから始める。しかし本ワークショップでは,一人の人物の伝記分析を全員でいっしょに行ってみたい。年譜や抜粋資料を配付し,伝記資料を読み込みながらその人物の人生を概観する。そこからどんな「問い」(「なぜ,この人物は~だったのだろう」)が発生してくるか,それに対してどんな心理学的仮説(「きっと,~だったからであろう」)を生成しうるかをグループで議論する。複数の問い,複数の仮説が生まれ,どの仮説が現象をうまく説明できそうかを吟味するなど,伝記分析の考え方を身につける。