講演情報

[AAS08-P01]2030年頃のHPC環境を見据えた気象・気候分野における取り組み

*小玉 知央1、足立 幸穂2、中野 満寿男1、清木 達也1、八代 尚3、吉田 龍二4 (1.海洋研究開発機構、2.理化学研究所計算科学研究センター、3.国立環境研究所、4.横浜国立大学)

キーワード:

フラッグシップマシン、気象・気候モデル

気象・気候分野はこれまでHPC (high performance computing) の進歩の恩恵を多く受けてきた。フラッグシップマシンについては地球シミュレータ(2002年共用開始、ピーク演算性能40 TFlops)、スーパーコンピュータ「京」(2012年、10.62 PFlops)、スーパーコンピュータ「富岳」(2021年、488 PFlops)と順調に計算能力が向上し、世界に先駆けた成果が数多く得られてきた。デジタルアース構築に向けた機運やデータ科学の発展などを背景に、気象・気候分野におけるHPCへの要求は今後も高まるばかりである。しかしながら、半導体の集積は限界に達しつつあるといわれ、電力制約のため計算ノードのこれ以上の大幅な増加も見込めない。さらに、GPU (graphics processing unit) をはじめとするアクセラレータの導入など、アーキテクチャの複雑化が進んでいる。このようなスパコン利用者から見ると難しい時代が到来している中、次のフラッグシップマシンの登場が期待される2030年頃を見据え、2022年度から次世代計算基盤に係る調査研究を開始した。気象気候分野では国内外の主要モデルグループが集結してモデル開発状況やサイエンスターゲットを共有・議論するとともに、ベンチマークセットを作成してアーキテクチャ調査研究グループ側へ提供している。本発表ではこのような取り組みに加え、計算科学ロードマップや気象学会計算科学研究連絡会の活動といった関連動向を紹介する。2030年頃に達成したいサイエンスターゲットとHPC環境から逆算して、我々は今何をすべきか、モデル開発者およびユーザとの議論を行う機会としたい。