講演情報
[PEM12-P02]ノルウェー・トロムソーのファブリ・ペロー干渉計によるオーロラ427.8nmの窒素分子イオン発光のドップラーシフト観測によるイオンアップフローの分光測定:予備的解析
*菊池 大希1、塩川 和夫1、大山 伸一郎1、小川 泰信2、栗原 純一3 (1.名古屋大学宇宙地球環境研究所、2.国立極地研究所、3.北海道情報大学)

キーワード:
共鳴散乱によるオーロラ、イオン上昇流、窒素分子イオン、427.8nm
地球の周辺の宇宙空間では1960年代から数々の人工衛星ミッションにより、電離圏高高度や磁気圏中で地球由来のイオンが観測されている。これらのイオンの主要な輸送経路の1つに極風(polar wind)がある。極風とは高緯度地域で流れている電離圏から磁気圏への両極性のプラズマ流である。しかし地球大気に大量に存在する窒素分子のイオンであるN2+はその存続時間が短いことから、高高度ではあまり見られないと考えられていた。しかしOGO6衛星が磁気嵐時に電離圏高高度の領域でN2+の分子イオン密度が急激に上昇するのを発見し、現在ではこの上昇流によりN2+も高高度に輸送されている可能性が示唆されている。
N2+の上昇流により引き起こされている現象として、N2+による太陽光の共鳴散乱による明け方の青いオーロラが挙げられる(Shiokawa et al., 2019)。共鳴散乱とは、N2+中の電子が太陽光によって励起され、その後基底状態に戻るときにそのエネルギーを光として放出する現象である。このとき、太陽光は決まった方向からくるのに対し、N2+が波長427.8nmの青色の光を全方向に放射するので、地上からはN2+が光っているように見える。さらに、N2+が上昇しているとき、地上からはドップラー効果の影響を受けて少し長い波長が観測されると考えられる。ドップラー効果を受けた波長の観測から発光体の速度を計測するための主要な装置のひとつにファブリ・ペロー干渉計(FPI)が挙げられる。私たちは、2022-2023年の冬、ノルウェーのトロムソでFPIによるオーロラ427.8nmの発光を観測した。 本発表では、FPIによる干渉縞の予備解析結果を報告し、ドップラーシフトを求めるために今後解決すべき課題について述べる。
N2+の上昇流により引き起こされている現象として、N2+による太陽光の共鳴散乱による明け方の青いオーロラが挙げられる(Shiokawa et al., 2019)。共鳴散乱とは、N2+中の電子が太陽光によって励起され、その後基底状態に戻るときにそのエネルギーを光として放出する現象である。このとき、太陽光は決まった方向からくるのに対し、N2+が波長427.8nmの青色の光を全方向に放射するので、地上からはN2+が光っているように見える。さらに、N2+が上昇しているとき、地上からはドップラー効果の影響を受けて少し長い波長が観測されると考えられる。ドップラー効果を受けた波長の観測から発光体の速度を計測するための主要な装置のひとつにファブリ・ペロー干渉計(FPI)が挙げられる。私たちは、2022-2023年の冬、ノルウェーのトロムソでFPIによるオーロラ427.8nmの発光を観測した。 本発表では、FPIによる干渉縞の予備解析結果を報告し、ドップラーシフトを求めるために今後解決すべき課題について述べる。
