講演情報

[PPS06-P26]昼側月面におけるオージェ電子分光の実現可能性の研究

*加藤 正久1、原田 裕己1、松本 徹2、Shaosui Xu3、Andrew Poppe3、Jasper Halekas4、三宅 洋平5、臼井 英之5、西野 真木6 (1.京都大学大学院理学研究科、2.京都大学白眉センター、3.Space Sciences Laboratory, University of California, Berkeley、4.Department of Physics and Astronomy, University of Iowa、5.神戸大学大学院システム情報学研究科、6.東京大学大学院理学系研究科)

オージェ電子分光 (Auger Electron Spectroscopy; AES)は、試料表面から数nm深さの化学組成を調査する方法の一つである。近年、月を周回するARTEMIS探査機に搭載された静電分析器(Electrostatic Analyzer; ESA)によって月面から放出されたオージェ電子が観測されたことが確認された(Xu et al., 2021)。我々は、Lin and Gopalan (1991)によって初めて予想された月周回機からの電子観測を用いたAESの実現可能性の検証を行うため、昼側月面から放出された光電子とオージェ電子のエネルギースペクトルを計算する数値モデルを開発した。モデルによって予想されたエネルギースペクトルはARTEMISによる観測と整合的である。このモデルをもとにして、酸素(O)原子と鉄(Fe)原子由来のオージェ電子が観測されたエネルギー区分における相対的な寄与を調査する。続いて、現在使用可能なARTEMISの観測データからAESを用いて月面の数nm深さの組成を得ることができるかどうかについて、将来の電子観測における可能性も考慮しつつ議論する。