講演情報
[PEM13-P15]あらせ衛星と地上カメラの共役観測に基づくオーロラオーバル低緯度側境界の磁気圏プラズマ構造の研究
*五味 優輝1、塩川 和夫1、三好 由純1、大塚 雄一1、大山 伸一郎1、新堀 淳樹1、堀 智昭1、Jun Chae-Woo1、山本 和弘1、篠原 育2、浅村 和史2、笠原 慧3、桂華 邦裕3、横田 勝一郎4、土屋 史紀5、熊本 篤志5、笠原 禎也6、風間 洋一7、Wang Shiang-Yu7、Tam Sunny W.Y.8、松岡 彩子9、Martin Connors10 (1.名古屋大学宇宙地球環境研究所、2.JAXA、3.東京大学、4.大阪大学、5.東北大学、6.金沢大学、7.中央研究院天文及天文物理研究所、8.国立成功大学、9.京都大学、10.アサバスカ大学)

キーワード:
オーロラオーバル、オーバル低緯度側境界、プラズマシート、あらせ、高感度全天カメラ、サブオーロラ帯
オーロラが最もよく出現する場所は、南北両磁極を取り囲む地磁気緯度65-75度の帯状の極域であり、オーロラオーバルと呼ばれている。その低緯度側境界の緯度・地方時について、Gussenhoven et al. [1981,1983]ではKp指数、Hardy et al. [1981]では太陽風パラメータによる依存性を示している。これらの研究では、地磁気緯度45度以上の領域について磁気圏から降り込む電子のフラックスが増大する緯度帯をオーバルの低緯度側境界と定めている。これらはDMSP/F2衛星とDMSP/F4衛星によって得られたデータを用いている。しかし、解析に用いたDMSP衛星は飛翔高度が~840 kmであり、電離圏上部での観測に基づくものであったため、オーロラに関連する降下電子の供給源である磁気圏内で、オーロラオーバルの低緯度側境界がどのようなプラズマ構造に対応しているかを特定できていなかった。また、光学観測に基づくオーロラとの対応関係も十分に確認されていなかった。内部磁気圏のソース領域やオーロラオーバルの光学的な低緯度側境界への理解を深めるため、本研究では、内部磁気圏でプラズマ構造や磁場・電場の直接観測を行っているあらせ衛星と、PWINGプロジェクトで北半球のサブオーロラ帯の緯度に設置された高感度の全天カメラを利用した。まず、オーロラオーバルの低緯度側境界を全天カメラの観測から定義し、その上空の同じ磁力線上をあらせ衛星が通過している磁気共役な同時観測例を用いた。電離圏と磁気圏をつなぐ磁場モデルとして、TS05モデルを利用した。557.7 nmと630.0 nmの各波長において、Athabasca(磁気緯度:62.5N、地理緯度・経度:54.6N, 246.4E), Gakona(磁気緯度:61.5N、地理緯度・経度:62.4N, 214.8E) Kapuskasing(磁気緯度:59.0N、地理緯度・経度:49.4N, 277.8E)の観測点で、2017年3月から2021年4月の間に、カメラの視野内のオーバルの低緯度側境界を衛星のフットプリントが通過した6例について複数例解析を行った。その結果、557.7 nm波長では4例、630.0 nmでは5例で20-1000 eVの電子のフラックスの境界とオーロラオーバルの境界が一致した。また6例中5例では、オーロラオーバルの低緯度側境界の低緯度側にも、エネルギーの高いプラズマシートの電子の分布が見られた。本発表では、この6例について、イオンや電場、磁場強度、オーバル低緯度側境界を越えた時の磁気時間、AL指数やオーロラの形状について比較を行い、得られた結果を述べるとともに、オーバルの低緯度側境界同定の課題についても述べる。