講演情報

[ACG66-P01]海岸林木模型による津波に対する耐倒伏性評価における洗掘および流体力の影響に関する実験

*山本 阿子1、原田 賢治2 (1.防衛大学校、2.静岡大学)

キーワード:

樹木根系模型、水理実験、土砂移動

海岸防災林は津波被害の軽減効果を有するが,2011年東北地方太平洋沖地震に伴う津波により,沿岸域の海岸防災林甚大な被害を受けた.現在,防災効果を備えた健全な林帯の海岸防災林の造成が進められているが,その生育目標となる林木の耐倒伏性評価は,風倒木と同様の林木の引き倒し試験の結果が主流である.しかし,実際の津波時においては,流体力に加えて林床の洗堀や,浸水が地盤の支持力に及ぼす影響が懸念されるが,現行の津波による林木の耐倒伏性評価には十分に反映されていない.
本研究では,洗掘および流体力が倒伏に及ぼす影響を明らかにするため,根系条件の異なる1/10縮尺の林木模型を用い,砂床土槽内での引き倒し試験を実施した.根系部の根入れ深さ(5種類)および胸高直径(3種類)を林木模型のパラメータとし,乾燥状態および水流による半水没状態における倒伏限界荷重を計測した.その結果,水路内で流体力および洗掘の影響を受けた条件下での倒伏限界荷重は,乾燥状態の土槽における倒伏限界荷重と比較して,著しく低い値を示すことが確認された.これは,浸水による地盤の支持力低下に加え,洗掘が根系の安定性を著しく損なう要因であることを示唆している.以上の知見は,津波特有の水理現象を考慮した新たな耐倒伏性評価手法を確立する必要性を示すものである