講演情報
[O12-P06]太陽光パネルの配置と発電効率の関係について
*高橋 諒斗1、大川 蓮生1、仲田 智治1、松田 慶之1、大松 優之甫1、神代 寧々1、小西 結子1 (1. 茨城県立日立第一高等学校)
キーワード:
太陽光パネル、太陽光発電、SDGs、森林伐採
緒言
近年、地球温暖化対策の一環として化石燃料による発電から太陽光発電への転換が進められている。しかし、日本のように森林面積が広い地域では、太陽光パネル設置に伴う森林伐採の増加が問題となっており、これはCO₂排出量削減という本来の目的と相反する側面を有する。その課題解決のため、パネルの占有面積を減らす方法を検討した。その中で、ホウセンカの葉序を基にパネルを配置した先行研究¹⁾を発見した。効率よく日光を集光する植物の葉序を基にパネルを配置すれば、占有面積を減少できると考えた。そこで、本研究は植物の葉序を基にしたパネル配置で発電効率が維持できるかの検証を目的とする。
方法
先行研究のモデルであるホウセンカの葉序は3/8であり(図1)、葉の配置はフィボナッチ数列(図2)と関連することが知られている²⁾。そこで、フィボナッチ数列を一段階上げた葉序5/13の植物であり、ホウセンカよりも密に群生し、狭い面積で光合成を行うセイタカアワダチソウに着目した。そして、太陽光パネルを、生命力の高いセイタカアワダチソウの葉序と同じ配置にすることで、発電効率を維持しながら、占有面積を減らすことができると仮説を立てた。実験は、ホウセンカより高次の配置条件で行った(図3、4)。実験には、太陽光パネル、支柱、金具、イージーセンス、電流センサ、電圧センサを使用し、11時55分から12時10分の間、30秒ごとに計30回測定した。占有面積は、平面5枚で3340㎠、立体5枚は2541㎠となった。
結果と考察
結果は、縦軸が発電電力を占有面積で割った値(W/㎠、以下では占有面積当たりの発電電力と表記する)、横軸を照度(lux)とした散布図で表した。照度決定係数R²>0.5のとき発電が安定していると考え、トレンドラインの傾き(aとする)が大きいほど発電電力が大きいと判断する。
図5より、立体に配置すると、決定係数は平面配置がR²=0.43、立体配置がR²=0.57となり、立体の方が発電が安定していると考える。トレンドラインの傾きは、平面がa=0.00007、立体がa=0.00005となった。平面と立体の間に、発電電力の有意差があるかを判断するために、2標本t検定(|t|<2のとき有意差なし)を行ったところ、t=0.0055となった。よって、発電電力の有意差はないと考える。
平面配置と立体配置の相違点を明確にするために、快晴、晴れ、曇り・雨の日に分けて考察した。
それぞれの天候の日において、ある2日間を比較したところ、特に曇りの日に異なる傾向がみられたため、太陽の位置が把握できる場合(図6、7)と把握できない場合(図8、9)に分けて考えた。図7において、平面配置(R²=0.22、a=0.0001)より、立体配置(R²=0.63、a=0.0001)の方が発電が安定していると考える。また、発電電力の有意差を確かめるために、同様にt検定を行うと、t=-0.0004より、有意差がないと判断できる。図9においても、平面(R²=0.36、a=0.0001)より、立体(R²=0.65、a=0.00003)の方が発電が安定していると考える。また、傾きにおいても、同様にt検定を行ったところ、有意差があると判断でき、発電電力が大きいと判断できる。以上より、太陽の位置が把握できない曇りの日の方が立体配置の安定性が向上したと考えられる。その要因として、反射光があると考えた(図10)。
結論と今後の課題
植物の葉序を基にしたパネル配置で発電効率が維持できることがわかった。また、曇りでは平面配置より発電効率が良いこともわかった。
今後は、天候や季節、違う配置といった様々な条件下で実験を行い、考察の裏付けをしたい。また、回帰分析を行い、データの傾向を分析したい。
謝辞
この研究は、一般財団法人 WNI気象文化創造センター高校・高専『気象観測機器コンテスト』の助成を受けています。
参考文献
1)Solar Plants .“「Solar Plants ホウセンカ」完成!”. Ask Nature Japan . 2012年9月 . https://www.asknature.jp/project/376 , (参照 2026年5月).
2)中田政司 .“植物にみられる数の不思議”. 富山県立植物園 . 2014年5月 .
https://www.bgtym.org/drius-kouza/images/syougakusei/db3.pdf , (参照 2026年5月) .
近年、地球温暖化対策の一環として化石燃料による発電から太陽光発電への転換が進められている。しかし、日本のように森林面積が広い地域では、太陽光パネル設置に伴う森林伐採の増加が問題となっており、これはCO₂排出量削減という本来の目的と相反する側面を有する。その課題解決のため、パネルの占有面積を減らす方法を検討した。その中で、ホウセンカの葉序を基にパネルを配置した先行研究¹⁾を発見した。効率よく日光を集光する植物の葉序を基にパネルを配置すれば、占有面積を減少できると考えた。そこで、本研究は植物の葉序を基にしたパネル配置で発電効率が維持できるかの検証を目的とする。
方法
先行研究のモデルであるホウセンカの葉序は3/8であり(図1)、葉の配置はフィボナッチ数列(図2)と関連することが知られている²⁾。そこで、フィボナッチ数列を一段階上げた葉序5/13の植物であり、ホウセンカよりも密に群生し、狭い面積で光合成を行うセイタカアワダチソウに着目した。そして、太陽光パネルを、生命力の高いセイタカアワダチソウの葉序と同じ配置にすることで、発電効率を維持しながら、占有面積を減らすことができると仮説を立てた。実験は、ホウセンカより高次の配置条件で行った(図3、4)。実験には、太陽光パネル、支柱、金具、イージーセンス、電流センサ、電圧センサを使用し、11時55分から12時10分の間、30秒ごとに計30回測定した。占有面積は、平面5枚で3340㎠、立体5枚は2541㎠となった。
結果と考察
結果は、縦軸が発電電力を占有面積で割った値(W/㎠、以下では占有面積当たりの発電電力と表記する)、横軸を照度(lux)とした散布図で表した。照度決定係数R²>0.5のとき発電が安定していると考え、トレンドラインの傾き(aとする)が大きいほど発電電力が大きいと判断する。
図5より、立体に配置すると、決定係数は平面配置がR²=0.43、立体配置がR²=0.57となり、立体の方が発電が安定していると考える。トレンドラインの傾きは、平面がa=0.00007、立体がa=0.00005となった。平面と立体の間に、発電電力の有意差があるかを判断するために、2標本t検定(|t|<2のとき有意差なし)を行ったところ、t=0.0055となった。よって、発電電力の有意差はないと考える。
平面配置と立体配置の相違点を明確にするために、快晴、晴れ、曇り・雨の日に分けて考察した。
それぞれの天候の日において、ある2日間を比較したところ、特に曇りの日に異なる傾向がみられたため、太陽の位置が把握できる場合(図6、7)と把握できない場合(図8、9)に分けて考えた。図7において、平面配置(R²=0.22、a=0.0001)より、立体配置(R²=0.63、a=0.0001)の方が発電が安定していると考える。また、発電電力の有意差を確かめるために、同様にt検定を行うと、t=-0.0004より、有意差がないと判断できる。図9においても、平面(R²=0.36、a=0.0001)より、立体(R²=0.65、a=0.00003)の方が発電が安定していると考える。また、傾きにおいても、同様にt検定を行ったところ、有意差があると判断でき、発電電力が大きいと判断できる。以上より、太陽の位置が把握できない曇りの日の方が立体配置の安定性が向上したと考えられる。その要因として、反射光があると考えた(図10)。
結論と今後の課題
植物の葉序を基にしたパネル配置で発電効率が維持できることがわかった。また、曇りでは平面配置より発電効率が良いこともわかった。
今後は、天候や季節、違う配置といった様々な条件下で実験を行い、考察の裏付けをしたい。また、回帰分析を行い、データの傾向を分析したい。
謝辞
この研究は、一般財団法人 WNI気象文化創造センター高校・高専『気象観測機器コンテスト』の助成を受けています。
参考文献
1)Solar Plants .“「Solar Plants ホウセンカ」完成!”. Ask Nature Japan . 2012年9月 . https://www.asknature.jp/project/376 , (参照 2026年5月).
2)中田政司 .“植物にみられる数の不思議”. 富山県立植物園 . 2014年5月 .
https://www.bgtym.org/drius-kouza/images/syougakusei/db3.pdf , (参照 2026年5月) .
