講演情報
[O12-P26]コランダムに含まれる不純物の種類と濃度による発色の変化
*佐藤 瑞起1、*西山 穣1 (1. 宮城県仙台第三高等学校)
キーワード:
コランダム、ベルヌーイ法、結晶構造
背景と目的
本研究ではコランダムという酸化アルミニウムからなる鉱物を電子レンジで人工的に作り、さまざまな色のコランダムを作成した。さまざまな金属酸化物を選び、今までにはなかったコランダムの色を作り出すことに加え、人工コランダムが本来の結晶構造とどのように違うのかを調べることにより、鉱物の形成メカニズムを明らかにすることを目的としている。図1は今回加えた金属酸化物の名称とその粉末の色を示している。
電子レンジを用いて作成した人工コランダムは、主に赤および青などの2種類の色しか作成されておらず、他の色を作成した事例があまりにも少なかったため、私達で実際に作成できるか確かめてみることにした。実験方法としては2つの実験を行ったのでそれぞれ紹介する。
実験
酸化アルミニウムと不純物を1500:1のmol比にしたのち、薬匙で撹拌を行い、超音波の機械で更に撹拌することで、どの実験でも同じくらいの撹拌度合いになるようにした。その後、アーク放電を起こすためのシャーペンの芯を撹拌された粉末の入った容器の中央に差し込み、電子レンジを用いて500W、30秒の加熱を3回繰り返す(図2)そして、一定期間常温で冷却したあと作成した結晶を採取し、その結晶を顕微鏡を用いて観察し、その観察した際に見えたものをカメラを用いて作成した。その後その写真をまとめて、表のようにした(図3)。2つ目の実験ではその結晶をプレパラートに貼り付け、研磨剤を用いて削ることで結晶構造を偏光顕微鏡で見えるようにし、そこで確認できたものを写真に取り観察した(図4)。
結果
1つ目の実験からは多くの新しい色が確認された。具体的にいくつか例を上げると、酸化銅Ⅱの黄土色、二酸化マンガンの茶褐色などである。それらを表にしてみたときに濃度が上がっていくごとに色が濃くなっているものとあまり変わらないものがあった。2つ目の実験では実際に観察したときに内部に結晶構造があることを確認することができた。
考察
1つ目の実験の結果からは、作成された結晶の濃淡というものは加える酸化物の種類と濃度によって決まるのではないかと考えられた。そして、発色の原理2)は置換であると考えられている。また、我々が参考にした、先行研究で記述されていた1)結晶の色と我々が作成した際の結晶の色の2つが大きく異なっており、そこについては先行研究ではフラックス法という結晶の成長のさせ方を天然のものに近づける方法を用いていたのに対して、我々の研究では主に工業用に使われる多いベルヌーイ法の簡易版という方法であったため、そこの方法の違いから結晶のでき方に差が出て結晶構造に違いが出たのではないかと考えられる。また、アーク放電を引き起こすために黒鉛を使用しており、それが鉄などの還元されやすい金属を還元して、酸化物の色ではなくなっているのではないかと考えられる。そして、発色の原理2)は置換であると考えられている。
展望
今後は不純物を混ぜたときにどのようにして混ざっているのか、どのようにして、結晶か出来上がるのかを温度分布を調べるなどして、メカニズムを解明していきたいと考えている。
謝辞
本研究を進めるうえで自然科学部化学版の顧問の先生方や部員の方々に多くの協力をいただきました。この場を借りて感謝を申し上げます。
参考文献
1) 木村和郎, 伊勢尚輝. サファイアの色についての研究. 兵庫県立神戸高等学校自然科学研究会化学班. 2013. http://saitenhyogo.kir.jp/chemgroup/sapphire(paper)2013_9_20.pdf, (参照 2024-05-21).
2) 倉敷市立自然史博物館. “鉱物の色(他色を示すことが多い鉱物)”. 鉱物・岩石の調べ方. https://www2.city.kurashiki.okayama.jp/musnat/geology/mineral-rock-sirabekata/mineral44/mineral-color/mineral-color3.html, (参照 2024-05-21).
本研究ではコランダムという酸化アルミニウムからなる鉱物を電子レンジで人工的に作り、さまざまな色のコランダムを作成した。さまざまな金属酸化物を選び、今までにはなかったコランダムの色を作り出すことに加え、人工コランダムが本来の結晶構造とどのように違うのかを調べることにより、鉱物の形成メカニズムを明らかにすることを目的としている。図1は今回加えた金属酸化物の名称とその粉末の色を示している。
電子レンジを用いて作成した人工コランダムは、主に赤および青などの2種類の色しか作成されておらず、他の色を作成した事例があまりにも少なかったため、私達で実際に作成できるか確かめてみることにした。実験方法としては2つの実験を行ったのでそれぞれ紹介する。
実験
酸化アルミニウムと不純物を1500:1のmol比にしたのち、薬匙で撹拌を行い、超音波の機械で更に撹拌することで、どの実験でも同じくらいの撹拌度合いになるようにした。その後、アーク放電を起こすためのシャーペンの芯を撹拌された粉末の入った容器の中央に差し込み、電子レンジを用いて500W、30秒の加熱を3回繰り返す(図2)そして、一定期間常温で冷却したあと作成した結晶を採取し、その結晶を顕微鏡を用いて観察し、その観察した際に見えたものをカメラを用いて作成した。その後その写真をまとめて、表のようにした(図3)。2つ目の実験ではその結晶をプレパラートに貼り付け、研磨剤を用いて削ることで結晶構造を偏光顕微鏡で見えるようにし、そこで確認できたものを写真に取り観察した(図4)。
結果
1つ目の実験からは多くの新しい色が確認された。具体的にいくつか例を上げると、酸化銅Ⅱの黄土色、二酸化マンガンの茶褐色などである。それらを表にしてみたときに濃度が上がっていくごとに色が濃くなっているものとあまり変わらないものがあった。2つ目の実験では実際に観察したときに内部に結晶構造があることを確認することができた。
考察
1つ目の実験の結果からは、作成された結晶の濃淡というものは加える酸化物の種類と濃度によって決まるのではないかと考えられた。そして、発色の原理2)は置換であると考えられている。また、我々が参考にした、先行研究で記述されていた1)結晶の色と我々が作成した際の結晶の色の2つが大きく異なっており、そこについては先行研究ではフラックス法という結晶の成長のさせ方を天然のものに近づける方法を用いていたのに対して、我々の研究では主に工業用に使われる多いベルヌーイ法の簡易版という方法であったため、そこの方法の違いから結晶のでき方に差が出て結晶構造に違いが出たのではないかと考えられる。また、アーク放電を引き起こすために黒鉛を使用しており、それが鉄などの還元されやすい金属を還元して、酸化物の色ではなくなっているのではないかと考えられる。そして、発色の原理2)は置換であると考えられている。
展望
今後は不純物を混ぜたときにどのようにして混ざっているのか、どのようにして、結晶か出来上がるのかを温度分布を調べるなどして、メカニズムを解明していきたいと考えている。
謝辞
本研究を進めるうえで自然科学部化学版の顧問の先生方や部員の方々に多くの協力をいただきました。この場を借りて感謝を申し上げます。
参考文献
1) 木村和郎, 伊勢尚輝. サファイアの色についての研究. 兵庫県立神戸高等学校自然科学研究会化学班. 2013. http://saitenhyogo.kir.jp/chemgroup/sapphire(paper)2013_9_20.pdf, (参照 2024-05-21).
2) 倉敷市立自然史博物館. “鉱物の色(他色を示すことが多い鉱物)”. 鉱物・岩石の調べ方. https://www2.city.kurashiki.okayama.jp/musnat/geology/mineral-rock-sirabekata/mineral44/mineral-color/mineral-color3.html, (参照 2024-05-21).
