講演情報
[U17-09]深海熱水噴出域由来の電気活性Shewanella sp. EC-1株の電気利用能の検証
*山本 正浩1 (1.国立研究開発法人海洋研究開発機構)
キーワード:
深海熱水噴出域、電気活性細菌、細胞外電子伝達
初期地球において深海熱水噴出域で発生する電気エネルギーが前生物的な同化代謝を駆動したとする「電気化学進化説」が提唱されている。もしも原始代謝が電気によって駆動したのなら、その後の生物進化の過程においても電気エネルギーは細胞にとって有効なエネルギー源であり続けたと考えられる。現代の深海熱水噴出域においても環境中の放電を利用する電気活性微生物の存在が示唆されてきた。本研究では、深海熱水噴出域から単離した細菌株の電気活性について報告する。
深海熱水噴出域から採取した高い導電性を示す岩石試料を微生物の接種源かつ電極にして実験室において深海熱水噴出域の放電現象を模擬した電気培養を行なった。その結果、Shewanella属細菌の集積が観察された。この培養液から希釈平板法によってShewanella sp. EC-1株を単離した。EC-1株のゲノムを決定したところ、他の多くのShewanella属細菌と同様に金属還元(metal reduction, Mtr)経路をコードする遺伝子群を有しており、電気活性細菌であることが示唆された。EC-1株を純粋培養し細胞懸濁液を調整して電気化学測定を行ったところ、細胞と電極の間での電子授受が観察され、本菌株が細胞外電子伝達を行うことが示唆された。EC-1株の電気培養を異なる電位で行い電流量の変化を観察した。その結果、EC-1株の細胞外電子伝達が電極-細胞間の電子移動に関して両方向的に作用することが示唆された。深海熱水噴出域の海底の電位には幅があることが観測されており、EC-1株はその環境下で電気の吸収と放出の両方を行なう能力を持つことが示唆された。
これは、深海熱水噴出域が生命を育むための選択肢として電気エネルギーが利用可能であることの提示であり、微生物の自然界における新しいエネルギー獲得手段を示すものである。
深海熱水噴出域から採取した高い導電性を示す岩石試料を微生物の接種源かつ電極にして実験室において深海熱水噴出域の放電現象を模擬した電気培養を行なった。その結果、Shewanella属細菌の集積が観察された。この培養液から希釈平板法によってShewanella sp. EC-1株を単離した。EC-1株のゲノムを決定したところ、他の多くのShewanella属細菌と同様に金属還元(metal reduction, Mtr)経路をコードする遺伝子群を有しており、電気活性細菌であることが示唆された。EC-1株を純粋培養し細胞懸濁液を調整して電気化学測定を行ったところ、細胞と電極の間での電子授受が観察され、本菌株が細胞外電子伝達を行うことが示唆された。EC-1株の電気培養を異なる電位で行い電流量の変化を観察した。その結果、EC-1株の細胞外電子伝達が電極-細胞間の電子移動に関して両方向的に作用することが示唆された。深海熱水噴出域の海底の電位には幅があることが観測されており、EC-1株はその環境下で電気の吸収と放出の両方を行なう能力を持つことが示唆された。
これは、深海熱水噴出域が生命を育むための選択肢として電気エネルギーが利用可能であることの提示であり、微生物の自然界における新しいエネルギー獲得手段を示すものである。
