講演情報

[22p-P07-38]電解質溶液浸漬によるグラフェンFETのドリフト抑制

〇牛場 翔太1、德田 優果1、中野 友美1、小野 尭生2、谷 晋輔1、木村 雅彦1、松本 和彦2 (1.村田製作所、2.阪大産研)

キーワード:

グラフェンFET,ドリフト,溶液

グラフェンを用いた電界効果トランジスタバイオセンサ (GFET) は、検出対象である生体分子の電荷によって生じるFET特性の変化をシグナルとする。しかし、FET特性は生体分子がなくとも時間経過に伴ってドリフトすることが知られている。本研究では、GFETのドリフトのメカニズム考察と抑制方法を提案した。FET特性評価前に、GFETを予め1.5 mMのリン酸緩衝液 (0.01×PBS) に720 h浸漬し、FET特性への影響を調べた。浸漬により、電荷中性点(CNP)は、負側へ 175 mV変化し、60分間繰り返し測定した際のドリフトは、75 mVから10 mV以下へと抑制された。浸漬すると、カチオンがグラフェン-基板の界面に浸透し、p-ドーピングが徐々に緩和される。予め十分時間浸漬しておくことで界面への浸透が飽和したため、測定開始直後のCNPが低くなり、ドリフトが抑制されたと考えられる。