講演情報
[25p-12H-3]層状窒化炭素薄膜のエネルギーバンド構造の考察
〇羽渕 仁恵1、廣井 智喜1、笠島 愛莉1、ゴーシャン ワィ1 (1.岐阜高専)
キーワード:
窒化炭素,紫外光電子分光法,低エネルギー逆光電子分光法
グラファイト状窒化炭素とも呼ばれる2次元の窒素と炭素による結晶が層状になった層状窒化炭素(以下CNと略す)薄膜のエネルギーバンド構造を調べた。光学ギャップはタウツプロットから求めると2.8 eV、電気伝導の室温から200℃までの温度依存性から活性化エネルギーを求めると0.5〜0.7 eVであった。このことからフェルミ準位はバンドギャップ中心からシフトしていると考えられる。PYSおよびUPSからHOMOの真空を基準としたエネルギーはいずれも-6.9 eV、LEIPSからLUMOは-3.6 eVであった。よってバンドギャップは3.3 eVと見積もられる。フェルミ準位はLUMOから0.7 eV下がったところにあり、電気伝導の温度依存性から求めた活性化エネルギーと近い値である。このことからCN薄膜はn型半導体であること考えられる。