ご挨拶
開催にあたってのご挨拶
第32回日本行動医学会学術総会 大会長 堤 明純 (北里大学医学部公衆衛生学・教授) |
|
謹啓
時下益々ご清祥のこととお慶び申し上げます。
この度、第32回日本行動医学会学術総会会長のご指名を受け、令和7年 (2025年) 12月6日 (土)、7日 (日) の2日間にわたり、相模原市立産業会館にて学術総会を開催させていただくことになりました。
日本行動医学会は、1992年に発足した比較的新しい学会で、現在、400名を超える国内会員を擁し、年に1回の学術総会を開催しております。行動医学とは、行動科学、心理学、生物学、心身医学、社会学、人類学、公衆衛生学等に関する知識と技術を集積・統合した学際的な学問です。行動医学の知識と技術は、個人の行動変容から社会環境の整備に至るまで様々な領域に役立てられており、疾病の治療はもちろんのこと、疾病の予防や健康の増進、そしてより良い社会づくりにも貢献しています。行動医学は、健康に資する多くの科学的根拠(エビデンス)を創出していますが、このエビデンスを、今後は社会実装していくことが求められています。そこで、本学術総会のテーマを「行動医学の実装戦略:エビデンス・プラクティス・ギャップを埋める」といたしました。
行動科学は医学部教育における新しいコア・カリキュラムでも必須の事項となり、行動医学は医療、予防、および健康増進の学問基盤の一つとして認識されてきています。本学会は医学教育のコア・カリキュラムへの提言も行っており、本学会に寄せられる期待も大きくなってきていると考えております。また、市民の行動変容は、コロナ禍で大きなテーマとなりました。感染症だけではなく、多くの疾病予防に行動変容は大切な要素です。本学会では、市民公開講座を開催し、一般の皆様に行動医学が得たエビデンスをお伝えし、健やかな生活のお役に立てればと考えております。
日本行動医学会の会員の方々はもちろんのこと、行動医学や上記のプログラムにご関心を持たれた多くの方々のご参加を心よりお待ち申し上げております。
謹白
令和6年 (2024年) 12月 吉日