基調講演

講 師: 伴 雅雄 先生(山形大学 教授)
演 題: 蔵王火山最新期の活動史:噴火・岩屑なだれ・ラハールの地質記録
日 時: 2026年9月15日(火)10:10–11:10
会 場: 1Fテルサホール(A会場)


略 歴:1986年東北大学理学部卒業。1992年博士(理学)取得。山形大学助手、講師、助教授、准教授を経て、2011年より山形大学理学部教授。専門は火山学。東北日本の活火山を対象に、地質調査、岩石学および地球化学的手法を用いて、噴火履歴、マグマ供給系、噴火推移および噴火予測に関する研究を進めている。蔵王山火山防災協議会委員、鳥海山火山防災協議会委員、文化庁文化審議会専門委員などを務める。2014年頃の蔵王山火山活動活発化の際には、マスコミ対応や多数回の一般向け講演会を通じて、火山防災に関する情報発信と普及啓発に取り組んだ。ドイツ・ケルン大学客員研究員、東京大学客員教授、日本地質学会山形大会および日本火山学会山形大会の実行委員長などを歴任。

講演概要:蔵王火山は東北日本を代表する活火山の一つであり、有史以降も噴火を繰り返してきた。近年は火山活動が活発化し、2013年以降には火山性地震の増加や火山性微動の発生などが観測され、火山防災への関心が高まっている。

本講演では、蔵王火山最新期の活動史について、近年の地質調査で得られた成果を中心に紹介する。まず、蔵王火山全体の地質概要を概説した後、約3.5万年前以降の最新期の活動についてやや詳しく説明する。さらに、山頂の御釜火口で発生した最新の1894~1897年噴火を取り上げる。また、最新期の開始時に発生した大規模な山体崩壊とそれに伴う岩屑なだれ堆積物、ならびに過去約8千年間に繰り返し発生したラハール(火山泥流・土石流)堆積物についても紹介する。最後に、これらの地質学的知見を踏まえ、今後の蔵王火山で想定される活動について考察する。