講演情報
[パネルディスカッション4]tele-ICUが拓く次世代医療:DXが集中治療にもたらす変革
神崎 俊治1,2 (1.昭和医科大学大学院保健医療学研究科, 2.昭和医科大学江東豊洲病院)
当院では,遠隔集中治療システム(tele-ICU)を導入し,15km離れた大学病院内の支援センターとネットワークで繋がっている.このシステムを活用することで遠隔から集中治療専門医の助けを得ながら患者管理をおこなっている.また,双方向性ビデオ通話システムを通じてベッドサイドのスタッフが支援センターと連絡を取り,必要なコミュニケーションを円滑に進めている.その結果,当院ではtele-ICU使用前と比較し,患者重症度の増しているにもかかわらず,患者アウトカムの改善が確認された.その要因の一つとして,遠隔ICUの支援により,集中治療の経験が浅いチームでもガイドラインに準拠した標準治療が提供できるようになったことが挙げられる.より円滑な運用のためには,D to D(Doctor to Doctor)だけではなく,看護師,臨床工学技士,その他メディカルスタッフが関与し,被支援施設の医師との間でタスクシェアをおこないながら,多職種で情報共有し,治療の連続性を確保できるシステムを構築することが重要であると考えられる.