講演情報
[パネルディスカッション4]医療DXの具体的な事例について −不整脈デバイスの遠隔管理
関谷 崇志 (東京大学医学部附属病院 臨床工学部)
植込み型心臓デバイスの遠隔モニタリング(RMS)管理では,各デバイスメーカが運営する独自のシステムにより,データ管理や電子カルテとの連携に課題があり,効率的な運用方法の確立が求められていた.そこで,RMSのデータ統合閲覧システムが登場し,RMSのDX化による効率化が期待されてきている.当院は,『ORFICE』システムによるDX化によって遠隔データを統合し,電子カルテ連携による情報の一元管理を実現した.このシステムは,自動データ収集,アラート管理,外来業務支援,保険請求効率化などの機能を備え,確認状況に応じた色分け表示や,ワンクリックでの電子カルテ連携も可能で,業務効率を大幅に向上が期待できる.しかし,導入にあたっては,コスト,セキュリティ,システム連携などの課題や,システムの動作,保守管理などの運用体制の構築が重要となる.今後はDXとAI技術が組み合わさることで,より高度な予測や診断支援が期待され,RMSのさらなる活用が望まれる.