講演情報
[S4-01]Sway Back姿勢と身体空間認識の困難を伴う脊柱管狭窄症の症例
*田野 隼都1、下市 紘平1、井上 聡1、沖田 学1,2 (1. 愛宕病院、2. 愛宕病院 福島孝德記念脳神経センター ニューロリハビリテーション部門)
【はじめに】
長期間不良姿勢をとっていたため身体イメージと実際の姿勢にずれがありSway back姿勢が顕著な症例を担当した.身体の認識課題を行うことでアライメントが改善したため報告する.
【症例】
本症例は脊柱管狭窄症でL4/5の除圧術のため入院した70歳台の女性である.立位時にSway back姿勢が顕著であり自身の姿勢を見るのが怖いため長い間,姿勢を客観的に見ていなかった.体幹を正中位に保持をするとforward headが顕著であった.主訴は「足がしびれます, ウエストも痛い」と訴えた.耳垂から肩峰までの軸と肩峰とASISとの軸(頚部屈曲角)150°,肩峰とASISとの軸と水平線(骨盤前傾角)77°,座位時骨盤垂直姿勢保持1-2分で疲労感を訴えた.鏡・写真等で視覚的なフィードバックを行うも,姿勢の修正を促すと「こんなに体が前かがみなの.骨盤がどこにあるか,どんな姿勢かわからない.」と内省があり骨盤が前方に突き出ている姿勢をとった.
【病態解釈】
長期間Sway back姿勢をとり続け感覚情報の予測を比較して学習する経験がなく,身体イメージの比較と照合が困難であったため,目標とした姿勢への修正が困難になっていると推察した.
【練習と結果】
頸部・体幹の正中位の姿勢保持を目標に視覚・体性感覚を使用した身体の位置の認識課題と,姿勢保持を長時間可能にするため頸部・腹部の筋耐久練習を行った. 初期は姿勢の変化に気づきにくく体幹の位置が真っすぐか・頭部が肩に対してどの方向にあるか等,身体の位置の認識課題の正答率は2割程度だったが,3週後は「頭が肩よりも前にありますね.骨盤を立てるやり方や前への倒し方が分かるようになりました」と内省きかれ10割正答でき自己の姿勢を把握できるようになった.頚部屈曲角163°,骨盤前傾角79°,座位時骨盤垂直位保持は5分以上可能になった.
【考察】
身体イメージの比較と照合が困難であったため,頭部・体幹の認識課題を行い感覚の予測と実際のフィードバックされた感覚が一致したことで身体イメージが再構築され,姿勢保持も長時間可能になりアライメントが改善したと考察した.
【倫理的考慮,説明と同意】
発表に関し紙面上及び口頭で説明し,同意を得た.
長期間不良姿勢をとっていたため身体イメージと実際の姿勢にずれがありSway back姿勢が顕著な症例を担当した.身体の認識課題を行うことでアライメントが改善したため報告する.
【症例】
本症例は脊柱管狭窄症でL4/5の除圧術のため入院した70歳台の女性である.立位時にSway back姿勢が顕著であり自身の姿勢を見るのが怖いため長い間,姿勢を客観的に見ていなかった.体幹を正中位に保持をするとforward headが顕著であった.主訴は「足がしびれます, ウエストも痛い」と訴えた.耳垂から肩峰までの軸と肩峰とASISとの軸(頚部屈曲角)150°,肩峰とASISとの軸と水平線(骨盤前傾角)77°,座位時骨盤垂直姿勢保持1-2分で疲労感を訴えた.鏡・写真等で視覚的なフィードバックを行うも,姿勢の修正を促すと「こんなに体が前かがみなの.骨盤がどこにあるか,どんな姿勢かわからない.」と内省があり骨盤が前方に突き出ている姿勢をとった.
【病態解釈】
長期間Sway back姿勢をとり続け感覚情報の予測を比較して学習する経験がなく,身体イメージの比較と照合が困難であったため,目標とした姿勢への修正が困難になっていると推察した.
【練習と結果】
頸部・体幹の正中位の姿勢保持を目標に視覚・体性感覚を使用した身体の位置の認識課題と,姿勢保持を長時間可能にするため頸部・腹部の筋耐久練習を行った. 初期は姿勢の変化に気づきにくく体幹の位置が真っすぐか・頭部が肩に対してどの方向にあるか等,身体の位置の認識課題の正答率は2割程度だったが,3週後は「頭が肩よりも前にありますね.骨盤を立てるやり方や前への倒し方が分かるようになりました」と内省きかれ10割正答でき自己の姿勢を把握できるようになった.頚部屈曲角163°,骨盤前傾角79°,座位時骨盤垂直位保持は5分以上可能になった.
【考察】
身体イメージの比較と照合が困難であったため,頭部・体幹の認識課題を行い感覚の予測と実際のフィードバックされた感覚が一致したことで身体イメージが再構築され,姿勢保持も長時間可能になりアライメントが改善したと考察した.
【倫理的考慮,説明と同意】
発表に関し紙面上及び口頭で説明し,同意を得た.
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